こんにちわ!じまろーです。
今回、要約させていただく本は下の本です。
オキナワ式食生活革命
ブラッドリー・ウィルコックス、クレイグ・ウィルコックス、鈴木信著
2004年発刊
沖縄本島北部、国頭郡の浜辺に石碑があり、下の言葉が刻まれています。
八十はサラワラビ(童)、九十になって迎えがきたら、百まで待てと追い返せ
1970年代、沖縄は世界で最も長寿の人たちが住む島でした。欧米では65歳以後の老後につきものの疾患や老化のプロセスを沖縄人は克服してしまっているようでした。心臓病は少なく、乳がんは、マンモグライグラフィー検査が必要ないくらいまれで、中高年の前立腺がんについて耳にしたことがない。という状態でした。
1996年にWHO(世界保健機関)と、日本厚生労働省が発表した、世界の人口10万人あたりの死亡率をあらわす表です。

なぜ、当時の沖縄には、これだけ長寿者がいて、心疾患やがんなどの疾患から逃れることができるのかを、調査したのが「沖縄百寿者研究」です。
沖縄百寿者研究
著者の1人である鈴木信医博が1970年代半ばに厚生省を支援を受けて、沖縄の百寿者の研究を行い、1994年に残りの本書著者であるウィルコックス兄弟が加わり、10年間の歳月をかけて、沖縄の100歳以上の百寿者の健康状態と、その原因を調査したもの
この沖縄百寿者研究を始めたとき、沖縄に存在する百寿者の健康状態が並外れていたそうです。彼らはスリムな体形で、若く見え、精力的で、ストレスへの対処がうまく、心臓病とがんが顕著に少なかったのです。これは、長寿であっても寝たきりや疾病をもっているのではなく、100歳を超えても健康状態が良好という驚きべき状態であったのです。
この研究は、オートファジーの力をまざまざと見せつけてくれる「SWITCH」でも「スーパーセンテナリアン研究」のひとつとして紹介されています。
「SWITCH」についても、下の記事にて要約させてもらっていますので、お時間のある方はぜひご覧ください。
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オートファジーって?オートファジーで手に入れる究極の健康長寿「SWITCH」【要約】
著者である、ジェームズ・W・クレメント氏は、106歳以上の健康長寿者の調査・分析をした「スーパーセンテナリアン研究」で世界的に有名です。そんな著者がオートファジーとは。オートファジーをONにする方法を分かりやすく説明されています。
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この本は、下のような思いをお持ちの方におすすめです。
こんな方におすすめ
- 沖縄の長寿者が食べている食事が知りたい。
- 病気を免れる食事ってある?
- 日本人でも実践できる健康食事法って?
沖縄百寿者研究の結果

数多くの沖縄の百寿者を調査する中で、それまで見えていなかったパターンが見えてきました。それは、食生活だけでなくライフスタイル全般に及ぶものでした。
その結果を、ざざ~っと紹介します。
若々しい静脈
沖縄の高齢者は、西欧人と比較して動脈が驚くほどきれいで若々しい。
この要因としては、コレステロール値、ホルモンステイン値が低い。これらのリスク因子が虚血性心疾患のリスクを80%下げ、脳卒中の発症率を低くしている。
心臓血管障害による死と、ホモシステイン値は比例しています。ホモシステイン値が高いほど、心臓疾患リスクが高いということです。
ホルモン依存性がんのリスクが低い
沖縄の人たちは、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、大腸がんなどのホルモン依存性がんのリスクが極めて低い。北米と比較すると、乳がんと前立腺がんが80%少なく卵巣がんと大腸がんは半分以下である。
この要因は下のものです。
がんのリスクが低い要因
- 低カロリー食(オートファジー)
- 野菜と果物の摂取(ビタミン、ミネラル、抗酸化物質等)
- 善玉脂肪の摂取(魚の摂取、オメガ3)
- 低GI・高食物繊維食品の摂取
- フラボノイド類(主に大豆)
- 適度のアルコール
- 低レベルの体脂肪
- 運動習慣
丈夫な骨
沖縄の人たちは骨が丈夫で、骨折のリスクが北米人の約半分である。
この要因は下のものです。
丈夫な骨の要因
- 食品と飲料水からのカルシウム摂取
- 日光に当たることによる高血中ビタミンD値
- 高齢者でもよく体を動かす習慣があること。
- 植物性食品に含まれる化合物フラボノイド(主に大豆)
明晰な頭脳
沖縄の人たちの大多数は百歳を超えてもなお注目に値するほど、頭脳が明晰である結果がでている。
明晰な頭脳の要因
- 健康な動脈による脳への良好な血液循環
- ビタミンEを多く含む、さつまいもの摂取
スリムな体形
沖縄の百寿者の体格指数(BMI)の平均は、18~22。
かつて、高齢者の低体重は健康を害するハイリスクと考えられていたが、現在では、ガン患者、栄養失調の人、低体重の喫煙者を除いて、体重が少ない方が健康であることが分かっています。
スリムな体形の要因
- 高炭水化物食(精製していない複合炭水化物食)
- 低カロリー食
- 運動習慣
沖縄のひとたちが、体重を低く保っているのは、低カロリーの精製していない複合炭水化物を腹八分で食べていて、無理のない程度に体を動かしているからです。
精製していない複合炭水化物は、精製している高カロリー炭水化物とは大違いで、インスリン産出のためにすい臓を酷使することがありません。
精製していない複合炭水化物とは、玄米やさつまいもや豆類、野菜などのことで、穀物なら精製せずに、野菜などはそのまま食べることを指します。
若々しさ
沖縄の高齢者は、自然のDHEA、エストロゲン、テストステロンをはじめとするホルモンレベルが同年齢のアメリカ人よりも高く、それは沖縄の人たちが生理学的に若いことを示しています。
若々しさの要因
- 低カロリー食
- 運動習慣
DHEAとは
デヒドロエピアンドロステロン。副腎で生成されるホルモンで、老化の害を改善する働きがあると言われており、心臓病、記憶の減退、うつ病、骨粗しょう症、ある種のがん、糖尿病を防ぐ働きがあるとも言われている。コルチゾールの作用を抑制し、免疫機能も高める。
DHEA値は、生物学的年齢を知る最適のマーカーとなる。
ここで、大事なことが1つあります。沖縄の高齢者の性ホルモン値が高いことが、ホルモン依存性のがんの発症率を上げていないという事実です。その理由として、本書では下の2点を挙げています。
- 沖縄の人の性ホルモン値は、若い頃は低いレベルであり、アメリカ人よりも減少の速度が遅いため、高齢者になったときには、沖縄の人の方が性ホルモン値が高くなっていると考えられる。
- 沖縄の人の食生活による病気を打ち消す因子が、性ホルモンが高いことによる不利な影響を打ち消している。
フリーラジカルによる損傷の低減
沖縄では、高齢者の方が若い人たちよりもフリーラジカルレベルが低い。フリーラジカルレベルを比較した値は下のとおり。
- 沖縄の百寿者:1.59
- 沖縄の70歳:2.96
と有意な差がある。
フリーラジカルとは
正常な代謝でつくられる反応性の高い物質で、体内の他の細胞を損傷する。老化の主因のひとつと考えられている。このフリーラジカルを減らすか、中和すれば、心疾患、がん、脳卒中、痴呆症といったフリーラジカルの損傷と関わりのある数多くの慢性疾患のリスクを減らすのをはじめ、老化を遅らせることができる。
フリーラジカルによる損傷が低い要因
- 低カロリー食
- 野菜や豆類(特に大豆)や香草に含まれる抗酸化物質の高摂取
- 運動の習慣
健康的な心
沖縄の百寿者の性格調査、面接調査などで、下の結果となっています。
- 「時間に追われている」と「緊張する」という気持ちの点数が低い
- 「自信度」と「負けん気」という気持ちで高得点。この2つはストレスに対処できる資質。
- 楽観的な考え方、適応性、ゆったりした生き方が明らか。
- 「中庸」が主要な文化的価値観である。
- 社会との強い一体感と深い精神性やスピリチュアリティ
健康的な心の要因
- 沖縄時間(うちな―たいむ)という独自のゆったりした時間間隔
- 高齢者を尊敬し大切にする文化が根付いていること
- 「ゆいまーる」という結びつきの考え方を大切にしている。
- 伝統的なシャーマニズムの療法が暮らしの中に欠かせない
ゆいまーるとは
「ゆい」は「結」、「まーる」は「廻る」の意味で、順番に労力交換を行うこと。「助け合い」や「共同作業」といった意味の言葉。
沖縄流の健康な食生活のガイドライン

今日食べるものが明日の健康の基本になるということを忘れてはいけません。毎日のこととなると、忙しさにかまけて、つい忘れてしまい、食べ物と心と体のつながりを忘れてしまいます。
健康によい質の良い食事がもたらす恩恵をいつも意識し、自分を大切にしなければいけない。沖縄の高齢者はそれをよくわかっているのです。
どのように食事を選び、そして楽しむか。その指針が示されています。
- 食べることを意識して食事を十分に味わう。
食べ物はきちんと咀嚼しないと、きちんと消化してくれない。 - カロリーを摂り過ぎない。腹八分。
カロリー制限こそが動物の寿命を延ばし、活力を高める方法。 - どか食いをしない。
血糖値の急上昇を避ける。 - 精製していない複合炭水化物中心の食事。玄米や全粒粉の穀物、いもや豆類、低GI値の食品を選ぶ。
血糖値の急上昇を避ける。 - 動物性たんぱく質を減らす。
動物性たんぱく質を摂りすぎると、高血圧、動脈の老化などのリスクが高くなる。 - 善玉脂肪(オリーブオイル、魚のオメガ3)を摂り、悪玉脂肪(動物性脂肪やトランス脂肪酸(マーガリン、揚げ物))を避ける。
善玉脂肪は、心臓病やがんを防ぎ、悪玉脂肪は反対にリスクを高める。
沖縄の高齢者(百寿者)の食事
下の円グラフが、沖縄の百寿者の食事の割合です。
野菜や、穀類、大豆などのフラボノイド食品が多く、肉・鶏肉・卵の動物性たんぱく質が、かなり少ないのが分かります。

沖縄の長寿を支える食品
食べ物が治癒力の源であるかのように食べることを、沖縄の言葉で「ぬちぐすい」といいます。
本書では、数多くの沖縄で食べられている食品が紹介されていますが、ここでは、その中から選りすぐりの3品を紹介します。
大豆

沖縄の高齢者は、沖縄豆腐やみそなどの大豆食品を多く(1日100g以上)摂取しています。
大豆に含まれるフラボノイド(イソフラボン)は、他の植物の1000倍も多いレベルで含まれています。フラボノイドは、エストロゲンが、がんを誘発するおそれのある部位で、体内で作られるエストロゲンを遮断します。また、心疾患リスクの軽減、乳がんや前立腺がんのリスク、大腸がんのようなその他のがんのリスクも低減するといわれています。
一日一度、30gの豆腐を摂るだけで、フラボノイドの量は十分とする研究結果もあり、1日納豆1パックでOKということになります。
大豆から植物性たんぱく質を摂取することで、動物性たんぱく質を減らすことができるのでいいですね。
さつまいも

沖縄では、さつまいもが愛されています。
昔は、沖縄の人の摂取カロリーの80%が炭水化物で、その主なものがさつまいもから摂られていたというから驚きです。
さつまいもには、フラボノイド、カロチノイド、食物繊維、ビタミンC、ビタミンE、その他の健康によい栄養素が豊富に含まれていて、しかも実においしい!これがいいですね。
ビタミンEは、心筋梗塞のリスク軽減、免疫力UP、がんや痴呆のリスクを下げる効果があります。
また、ビタミンCは、フリーラジカルによる細胞の損傷を防ぎ、ガンの誘因となるニトロソアミンが胃の中でつくられるのを抑える働きがあります。また、ビタミンEが酸化するのを防ぎます。
ビタミンCとビタミンEの組み合わせは最強ですね。
沖縄でさつまいもが多く食べられるようになった理由として、沖縄が毎年大型台風に襲われる地域であることが関係しています。台風によって、しばしば水田が壊滅し住民は飢饉の不安にさらされていましたが、さつまいもは地中に埋まり、台風の被害をあまり受けないため、沖縄の人の安定したカロリー源になりました。そのため、沖縄の人たちの主要な炭水化物となったのです。
ウコン(ターメリック)

ウコンは、沖縄で好んで使われるスパイスです。しょうがの仲間で、漢方薬などでも使われます。
ウコンの主要な成分であるクルクミンには、強い薬効があり炎症を抑える作用があります。
沖縄の民間伝承としては、ウコンは免疫系を強くし、消化を助け、ガスを出し、胆石を溶かすといった効能があると考えられています。
また動物実験では、ウコンを投与されたラットの方が、がんを引き起こす化学物質にさらされたときに腫瘍の発生がはるかに少なかったとのことです。
まとめ

いかがでしょうか?
沖縄の長寿には理由があります。沖縄を取り巻く環境、歴史や文化が作りあげたものってことが良く分かりました。
大きくまとめると、健康長寿をつくる要素は、下の6つなんだなぁと思っています。
健康を作る要素
- 低カロリーの食事(少食)
- 動物性たんぱく質(肉・鶏肉・卵)を減らす。
- 野菜、大豆、精製していない穀物を多く食べる。
- マインドフルイーティング(咀嚼とゆっくり食べること)
- 適度な運動
- ノンストレスな生活(なんくるないさーの精神)
1⃣と4⃣と6⃣が、目先の目標ですね。
さつまいもを主食にしようかと考えている今日この頃です。
無農薬熟成さつまいも買いました。鮮度を落とさないよう土付きで届けてもらえます。
さらに、少食や動物性たんぱく質を減らすこと、野菜を多く食べることなど、健康長寿のための方法として同じことを言っている本が数多くあります。これらも要約していますので、お時間がある方はぜひご覧ください。
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