健康本 少食・断食

時間栄養学によるプチ断食の進化系。「脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい」【要約】

2023年2月19日

こんにちわ!じまろーです。

朝食を食べるべきか、食べないべきか。難しい問題です。

なぜなら、この2つのメリットが共存できないと考えられているからです。

  • 朝食を食べることには、大きなメリットがある。
  • プチ断食には、大きなメリットがある。

しかし、共存できるよと教えてくれるのが、こちらの本なのです。

脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい(2022年)
柴田重信

著者の柴田重信教授は、日本時間栄養学会長も務められている、時間栄養学の第一人者です。

そして、朝食を食べながら、プチ断食をする方法ですが、かみ砕くと下のようなものです。

時間栄養学視点で考えると朝食のメリットは計り知れないので、抜いてほしくない。しかし、プチ断食の効果も高く、これも捨てがたい。
ただし、プチ断食は16時間断食が一番効果は高いのだけど、12時間断食までであれば効果を享受できることを確認したから、3食食べようね。

というものです。

わたしのモットーとする「中庸」となる答えでして、取り入れやすいと思われます。

この記事は、下のような人に向けて書いています。

こんな方におすすめ

  • 朝食を抜くべきか、食べるべきか迷っている。
  • 時間栄養学に興味がある。
  • いつどれだけ食べればよいか教えてほしい。

  

時間栄養学とは

時間栄養学とは

体内時計を考慮に入れた栄養学
「何を食べるか」「どれだけ食べるか」の栄養学に、「いつ食べるか」という視点を加えた学問。

体内時計とは

生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。人間においても体温やホルモン分泌など基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわかっており、この約24時間周期のリズムを形成するための信号を発振する機構のことを「体内時計」といいます。

  

朝食を食べるメリット

時間栄養学の視点で考えると、朝食を食べることは、下のようなメリットがあります。

  • 体内時計をリセットする。
    体内時計は24.5時間周期であり、朝食が体内時計をリセットしてくれます。
    体内時計のずれは、不眠や食欲低下、集中力低下などを引き起こし、生活習慣病になりやすくなります。
  • 体温を上げる。
    朝食が一番体温を上げます。エネルギーを消費してくれます。
  • 代謝の関わるしくみが効率的に働く。
    特に肝臓の代謝がダイナミックに起こるそう。これは朝食だけに起こる特徴。
  • 朝食の血糖値は上がっても、すぐ戻る。
    朝食はインスリンが効果的に働いてくれます。夕食はインスリンの効果が低いため、夕食は糖質少なくです。
  • 朝食が睡眠中の脂肪燃焼を助ける。
    朝昼夕の食事と、昼夕夜の食事で脂肪燃焼を比較すると、朝昼夕の方が脂肪を燃焼したそうです。
  • セカンドミール効果が高い
    朝食に摂った栄養の効果は昼や夕食に及びます。つまり朝食にいいものを食べると恩恵を受けやすいです。
  • 血圧を下げる。
    一般に血圧は朝上がり、夜下がります。朝上がるのは活動を高めるためですが、朝食を抜くと、血圧はより高くなりがち。

いろいろありますが、体内時計のズレがもたらす悪影響を考えると、毎朝の体内時計リセットのメリットは大きいと言わざるをえません。

  

プチ断食は12時間でOK

プチ断食の健康効果は高いです。ただし、これも食べる時間が大切です。

ここでいう、プチ断食の効果とは、インスリン抵抗性、空腹時血糖値、体重、体脂肪率などから判定したものです。

プチ断食する時間帯による効果の差

例えば、16時間断食の実験結果で下のようなものがあります。

食事時間:7時~15時 ⇒ 効果◎
食事時間:12時~20時 ⇒ 効果△ 

つまり、頑張って12時間断食しても、朝食を抜くと断食の健康効果は大きく減ってしまうということです。

  

断食の時間による効果の差

次に何時間断食が効果が高いか比較した実験があります。

16時間断食:より効果あり。
15時間断食:効果あり。 
14時間断食:効果あり。
13時間断食:効果あり。
12時間断食:効果あり。13時間とほぼ同じ効果。
11時間断食:自由に食べたときとほぼ変わらない。

16時間断食が一番効果があります。

しかし、前述のとおり、朝を抜く16時間断食は、効果が半減してしまうし、夕食を抜いて、15時にその日の食事を終わらせるなんて、至難のわざではないでしょうか。また16時間断食の栄養が偏ることや、栄養不足になる危険性も指摘されています。

その点、12時間断食でも、それなりの効果が見込めるため、生活のリズムを変えずに断食効果も得ることができるという一挙両得な方法が、12時間断食なのです。

本書でも、12時間断食より14時間断食のが効果が高いので、18時に夕食を終わらせることができるなら、それの方がよいと言われています。

まずは12時間断食。というか、普通に食べれるんですがね。少し時間をずらすだけです。

おすすめは、8時~20時です。かなり普通の時間です。これ断食?って感じですね。

  

朝食・昼食・夕食は、いつ何を食べるべきか。

朝食

朝食は、体内時計をスタートさせるために時間が重要で、9時までに摂ってください。

体内時計のリセット効果が高いものとして、糖質、魚の脂、たんぱく質、食物繊維が挙げられています。

つまり、和定食最強です。

 

昼食

昼食を抜くと、夜の血糖値が上がりやすくなるそうです。

また、昼、夕は塩味に鈍感になるので、塩分が多くなりがちです。そのため、昼は野菜(カリウム)を多く摂るように心がけてください。

 

夕食

朝食に比べて、代謝が上がらないので、糖質や脂質の多いものはできるだけ避けた方がいいです。

また、就寝2~3時間前までに終えること。

そして、一番大事なのは、軽めにすることです。

  

朝・昼・夜の量は?

朝食、昼食、夕食のカロリー配分は、

朝食 > 昼食 > 夕食

が理想です。

著者は、朝食:昼食:夕食=1:1:1を推奨しています。

少なくとも、夕食が一番多くならないようにすればOKですね。難しいですが。

  

まとめ

いかがでしょうか

もう一度、本書の内容をまとめます。

  • 朝食は抜かない。朝食のメリットを逃すのは惜しすぎる!
  • 朝食は9時までに。糖質、タンパク質を多め。和定食最強。体内時計のズレは舐めてはいけない!
  • 昼食は野菜中心。夕食は軽めに。重さは朝>昼>夕
  • 8時から20時以外は、何も食べない12時間断食をして、断食の効果も取る!

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ただし、油断してはいけません。

夕食後の空腹と戦う覚悟は必要です。夜は食欲が暴走しがちです。

そんなときは、食欲はたんぱく質欲が優先されることを思い出してください。

食事にきちんと必要タンパク質を摂ることで、食欲は落ち着いてくれます。また、夕食にもタンパク質を摂り入れたいものです。詳細は下の本を参照ください。

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これは、やってみるしかないですね。

  

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