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食欲のメカニズムを知ることで、間食を減らせる。科学者たちが語る「食欲」【要約】

2022年3月13日

こんにちわ!じまろーです。

「食欲」に勝てていますか?わたしは、ついついお菓子に手を伸ばすことをやめることができず、自分の意志力の弱さによく落ち込んでいます。

半日断食も実践中なのですが、せっかくの半日断食も、間食でばくばく食べてたら効果半減なんじゃないの?と分かっていながら、手が止まらないのです。

そんなときに、手に取った本が下の本です。

科学者たちが語る 食欲(2021年)
ディヴィッド・ローベンハイマー、スティーブン・J・シンプソン著

ある南アフリカに住む1頭のヒヒの話を紹介します。

このヒヒの食事を30日間追跡し、食べたものの種類、量、食べたものに含まれる栄養などを調査しました。彼女(ヒヒ)は追跡した30日間で90種類の多様な食物を、食べたいときに食べたいように食べているように見えました。

しかし、食べた食品の栄養素を調べると、30日間のあいだ、タンパク質1に対して、炭水化物5の比率が、ずっと変わらなかったそうです。この1対5の割合は、彼女にとって最適は栄養バランスでした。食べたいように食べていたと思われていたものが、自分の健康にとってどんな食事が最適か、どうやってそれを実現できるかを知り尽くし、それをこの上なく正確に実行していたのです。

驚きです。われわれ人間は、多くの食品を組み合わせてバランスの取れた食事にすることなんて大変すぎて無理!と思いますよね。

その答えが、本書には書かれています。

この本は、下のような思いをお持ちの方におすすめです。

こんな方におすすめ

  • お菓子をついつい食べ過ぎてしまう。
  • 食欲に打ち勝つ方法が知りたい。
  • 食欲ってなにもの?

  

食欲とは

まず、食欲とはなにものか?

食欲は、満腹になるまで食べるよう動物を駆り立てる、たった1つの強力な渇望ではありません。

自然は、わたしたちの食べるもの全てに、それぞれ異なる味や風味を与えました。糖に心地よい甘味、タンパク質に旨味、脂肪にコクのある食感と風味。こうした、特徴的な風味は、食品中の化学成分、すなわち栄養素を示しています。

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この特定の味と風味は、私たちにそれぞれに含まれる栄養素の量に関する情報を与えてくれます。この情報をもとに、私たち動物は、何を食べるかを決定できます。

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しかし、私たち動物にとって、何を食べるかと同じくらい重要なもうひとつの情報があり、それが、「その時々に各栄養素をどれだけ必要としているか」であり、それが食欲システムです。

わたしたちの食欲は、特定の風味に照準を定め、生存に必要なものだけを食べる案内役になるよう進化したのです。

  

人間の食欲は5つある。

人間がもつ食欲には、5つあるそうです。それが下のものです。

人間の食欲5つ

  • タンパク質
  • 炭水化物
  • 脂肪
  • ナトリウム(塩)
  • カルシウム

  

なぜ食欲は5つなのか?

なぜ、この5つの栄養素を判別する能力を人間がもつことになったのかは、下のように紹介されています。

  • これらの栄養素は、非常に正確な(多すぎず、少なすぎず)水準で食事に含まれている必要があるから。
  • これらの栄養素の濃度が食品によって大きく違うから。
  • これらの栄養素は、祖先が暮らしていた環境では、めったに見つからなかったので、それを探し出すことに特化した生物学的機構が必要だったから。

  

なぜ他の重要な栄養素の食欲を発達させなかったのか?

上で説明した5つの栄養素以外にビタミンやミネラルなど、重要な栄養素は多くあります。

これらを欲する食欲が発達しなかった理由は、ビタミンやミネラルなどの重要な栄養素は、ふだん食べているものに豊富に含まれるため、上の5つの栄養素さえ適量を摂取していれば、自然とこれらの栄養素を得ることができたからです。

  

食欲はタンパク質ファースト

本書では、先に紹介したヒヒだけでなく、バッタ、ハエ、クモ、ゴキブリ、犬、猫、ゴリラ、オランウータン、粘菌、ヒトに至るまで、多くの生物で、食事の追跡または、栄養バランスを変化させた食事を与える実験が紹介されています。

その中で、バッタとヒトの実験だけ紹介させていただきます。

バッタの食事実験

バッタに、タンパク質と炭水化物の割合の違うエサを与えました。

  • タンパク質と炭水化物の栄養バランスが最適なエサ
  • 高タンパク質で低炭水化物のエサ
  • 低タンパク質で高炭水化物のエサ

その結果、栄養バランスが最適なエサについては、毎回同じ量だけ栄養素を摂取しました。

低タンパク質食の場合は、タンパク質量が必要量になるまで食べ続け、その結果、炭水化物を過剰に摂取しました。

  

ヒトの食事実験

いろいろな動物実験より、やっぱりヒトの実験が説得力がずば抜けています。

ある実験では、最初の2日間、被験者に自由選択式のビュッフェスタイルの食事を摂ってもらいました。その結果、予想摂取カロリー、予想摂取タンパク質量を自然に摂っていました。理想的なカロリーと量です。

次の2日間に、高タンパク質食のグループと、低タンパク質食のグループに分けて食事を摂ってもらいました。その結果は、低タンパク質食のグループは、タンパク質量を達成するために、総摂取カロリーが、最初の2日間よりも35%も増えました。また、高タンパク質グループは、逆に摂取カロリーが38%も減ったのです。

食欲の中で「タンパク質欲」が優先されていることが分かります。

また、別の実験では、低たんぱく質食を与えられた被験者は、そのテストの間、摂取カロリーを12%増やしましたのですが、驚くことに、その余剰カロリーのほとんどは、食事量の増加でなく、間食から摂取カロリーを増やしていました。しかもスイーツなどの甘いお菓子ではなく、増加したカロリーのほぼ全てが、しょっぱい系の旨味を感じられるスナック系のお菓子から摂取されていたのです。

スナック菓子を欲した理由

旨味は、食品がタンパク質を含んでいるというシグナル。被験者は、味だけタンパク質に似せて、高度に加工されたスナック菓子を食べていたため、いつまでたってもタンパク質量が満たされず、タンパク質を欲し続けた。

その他のすべての生き物の食事実験でも結果は同じで、食欲は、たんぱく質量を満たすことが第一に優先されています。

大変、興味深い結果ですよね。

  

現代の食欲システムを狂わす原因

タンパク質は、少ないとタンパク質欲が強いため、炭水化物や脂肪などの栄養を過剰に摂ってしまうため、摂取カロリーが多くなります。その結果、肥満の原因となります。

しかし、多すぎても問題です。たんぱく質が多いと、老化を早め、寿命を短くすることが分かっています。これについては、これまで要約してきた多くの本で紹介されています。興味がある方はぜひ下の記事をご覧ください。

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私たちには、他の動物たちと同じように、最適なタンパク質量を食事から摂ることができる能力があります。

しかし、この能力を邪魔して、狂わせるものがいます。

それが、「超加工食品」というものです。

超加工食品とは

食品を加工の度合いで分類して、最も加工程度が高いランクに入る食べ物。ブラジルのカルロス・モンテイロ教授が考案した食品分類法「NOVAシステム」では、超加工食品は、下のように定義されている。

5種類か、それ以上多くの素材を含み、工業的に成形されたもの。料理の準備には使われず超加工食品にしかみられない添加物を含む。

例:スナック菓子、アイスクリーム、チョコレート、マーガリン、クッキー、ソーセージ、インスタント食品など

超加工食品には、甘いけど糖ではない甘味料や、旨味はあってもアミノ酸ではない旨味調味料など、私たちの食欲システムが正常に機能するのを邪魔するものが多く含まれています。それによって、体が必要としている量を摂取しているつもりが、全然おかしなバランスになっているということが起こるんです。

  

食欲とうまく付き合うためのロードマップ

この食欲システムを惑わす超加工食品を全く無くすことは、現代の食環境では不可能に近いです。本書でもそう述べられています。

そうなると、どのように食欲システムを正常に動作させればいいのでしょうか。

それについては、うまく付き合うためのロードマップが紹介されています。

これ!と思ったもの5つを抜粋して紹介します。

ロードマップ

  • 自分のターゲットとなるタンパク質量を理解する
    下の必要タンパク質量計算を参照。
  • 超加工食品をできるだけ避ける
    食欲システムを狂わせます。可能であればホールフードを食べることです。
  • 高タンパク質食品を食べる
    あくまでも適量。摂りすぎはデメリットがあります。
  • 食物繊維を摂る 食物繊維は食欲のブレーキ役となる。
  • 「塩味、旨味」が欲しくなったら、タンパク質を欲しているということを理解する
    しょっぱいスナック菓子では解決できない。
  • 自分の「食欲」を信じる 
    タンパク質欲が適量を教えてくれる。食欲は、計算サイトよりも正確な測定器である。

必要タンパク質量計算

  • ハリス・ベネディクト法」で必要カロリー(cal)計算します。
  • 係数をかけます。(子供:0.15、18~30歳:0.18、妊婦、授乳婦:0.20、30代:0.17、40~65歳:0.15、65歳以上:0.20)
  • ÷4(cal/g)をして、1日のタンパク質量(g)を計算します。

  

まとめ

いかがでしょうか?

少しは、食欲に対する理解が進んだのではないでしょうか?

私が手の伸ばすお菓子も、しょっぱいお菓子ばかりで、本書の言っていることが、すっと腹落ちしました。私の食欲システムは、超加工食品の添加物によって狂わされていたことを実感しました。食べても食べても満足できなかったんです。

タンパク質量は大切ですね。自分の食欲システムを正常に作動させて、少なすぎず、多すぎない適量を摂っていきたいです。

ただ、タンパク質については、これまで紹介してきた多くの本で、「健康長寿な食生活には、動物性タンパク質は制限して!」とありますので、植物性たんぱく質をメインに、少量の動物性タンパク質と組み合わせて摂っていきたいと思っていますね。

今では、しょっぱいスナック菓子が欲しくなったときは、「これは、タンパク質欲ではないか?」と思い返してみることを実践しています。

そして、小魚のお菓子を少し食べて、タンパク質欲をなだめるようにしています。

  

本書で、紹介されている動物の食事実験の数々は読み物としても大変おもしろくて、説得力も増し増しです。また、なぜ超加工食品がここまで生活に浸透しているのか、など、まだまだ紹介できていない内容が多くあります。ぜひ、手に取って読んでみてください。

 

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