こんにちわ!じまろーです。
運動が体にいいってのは常識ですが、なかなか習慣化するのに苦労しますね。
「しんどい」「めんどくさい」「時間がない」という、やらない理由のトップ3が、私たちの運動習慣化を全力で止めに来ます。
しかし、この本を読んで、今すぐにでも外に飛び出し、どこでもいいから走り回りたい!って気持ちになりました。
本書で一番言いたいことは、下のことだと感じました。
脳は何歳になっても成長させることができる!あきらめてはいけない!
今回は、運動を習慣づける第一歩になること間違いなしの本書を要約させていただきます。
スマホ脳(2020年)
アンデシュ・ハンセン
著者は「スマホ脳」でも有名なスウェーデンの精神科専門医です。本書はスウェーデンで、すでに67万部のベストセラーとなっています。
著者自身の経験や、数々の研究論文から、運動と脳の働きの関係性を分かりやすく説明されている本です。本書で紹介されている実験や論文などの参考文献はこちらから確認可能です。
この記事は、下のような方に向けて書いています。
こんな方におすすめ
- 運動を習慣化したい。
- 運動がもたらす効果を知りたい。
- 具体的にどんな運動をしたらいいの?
- 運動が脳に良い理由も少し知りたい。
運動が脳にもたらす効果
運動することで、もたらされる効果は7つあります。
運動がもたらす効果
- 脳からストレスを取り払う
- 集中力を取り戻す
- モチベーションを上げる
- 記憶力を高める
- アイデアがひらめく
- 学力を上げる
- 脳を衰えさせない健康脳にする
それぞれ、それに合った運動の種類というものがありますので、それを合わせて簡単に説明します。
脳からストレスを取り払う
ストレスを感じると副腎から、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されますが、過度なコルチゾールは、海馬の細胞を殺してしまいます。何年もストレス状態が続くと、海馬が委縮することになります。
運動には、コルチゾールを抑える働きがあります。ストレスから脳を守ってくれるのです。
メカニズムを簡単に説明すると下のようになります。
- 運動中、コルチゾールの分泌量が増える。
⇩ - 運動を終えると、コルチゾール量が減る。
⇩ - 運動を続けていると、運動でコルチゾールが増えにくくなる。
⇩ - 運動以外のことが原因のストレスでもコルチゾールが上がらなくなってくる。
脳からストレスを取り払うための最適な運動は下のものです。
ランニングや水泳などの有酸素運動を週に2,3回、30~45分。ストレスの緩和には、筋力トレーニングよりも有酸素運動の方が効果が高い。
集中力を取り戻す
私たちの祖先が、体を動かすときは、闘うときや逃げるときなど、たいてい集中力が必要となる状況でした。つまり、私たちは体を動かすと集中力が増すようにできているのです。
感覚中枢から伝えられたノイズのボリュームを下げ、目の前のことに集中するためには「ドーパミン」が必要となるのですが、運動は、ドーパミン量を増やす、または調整してくれるのです。
集中力を取り戻すための最適な運動は下のものです。
- 歩くよりは走る方がよい。少なくとも20分以上。
- 最大心拍数の70~75%、40代なら130~140回/分。
- 朝に運動するのが効率がよい。
- 即効性があり、運動後数時間効果が持続する。
- しかし、集中力改善効果を定着するには時間がかかるため、習慣化が必要。
モチベーションを上げる
モチベーションを上げるというのは、意欲の低下やうつを防ぐということです。うつ病になると、脳の萎縮速度が加速するのが分かっています。
運動することで、意欲の低下やうつ状態を防ぎます。これは、運動が奇跡の物質や脳の天然肥料と呼ばれている「BDNF」を分泌させるからです。
BDNFとは
BDNF(脳由来神経栄養因子):脳が生成するタンパク質で、脳細胞の新生、新たに生まれた細胞を助け、生存、成長を促す。また脳の細胞間のつながりを強化し、脳の可塑性を促して老化を遅らせるなど、脳の様々な働きを促進する作用がある。
- 運動すると、BDNFが分泌される。
⇩ - 脳で「新しい細胞」が次々つくられ、脳の萎縮が止まる。
⇩ - 「意欲低下」や「うつ」を防ぐ。
モチベーションを上げるための最適な運動は下のものです。
- 有酸素運動。特に「インターバルトレーニング」がよい。
- ランニングやサイクリングなら30~40分。心拍数を20~30代は140回/分、40~50代は130回/分で運動。
- これを3週間続ける。
インターバルトレーニング
高負荷の運動と低負荷の運動を交互に入れるエクササイズ
記憶力を高める
脳は25歳をピークに年齢と共に徐々に小さくなっていきます。しかし、運動することで、海馬が小さくなるどころか成長することが分かっています。
- 運動をすると、BDNFにより、脳で新しい細胞がつくられる。海馬も成長する
⇩ - またBDNFが脳の細胞同士のつながりを強化する。
⇩ - 記憶力が強化される。
記憶力を高めるための最適な運動は下のものです。
- 理想的には、有酸素運動(持久力トレーニング)と筋力トレーニングの両方を取り入れる。
- 習慣化することで、さらなる効果が期待できる。
- 暗記に限っていえば、ウォーキングや軽いジョギングなど。疲労を感じると逆効果となる。
アイデアがひらめく
運動やトレーニングをすると、アイデアを活かす力が高まるだけでなく、アイデアそのものがあふれ出るようになると考えられています。
- 運動をすると、脳に流れ込む血流が増える。
⇩ - 脳の働きが促進される。
⇩ - 認知能力がUPする。
⇩ - 創造性がUPする。
アイデアがひらめくための最適な運動は下のものです。
- ランニング、またはそれと同等の活動、ウォーキングにも効果がある。できれば20~30分
- 走り終えてか2時間程度、効果が持続する。
- 疲れるほどの運動は、逆に脳の血流量が減るためにNG。(血流が筋肉へと流れを変える)
学力を上げる
さらに運動が、IQを含め、全体的な学力を上げます。
ここまでの説明で、運動が脳の細胞を新生し、成長させること分かったと思いますので、学力を上げるのも納得でしょう。
学力を上げるための最適な運動は下のものです。
- とにかく身体を動かすこと。子供は少なくとも30分は活動を続けること。
- 12分間でも、学童期や思春期の読解力や集中力が増す。
- 学校の休憩時間は、数分でも外に出て遊ぶとよい。
- IQを高めるのは、持久力の高さ。筋力とは無関係。持久力を鍛えることでIQの向上が見込まれる。
脳を衰えさせない健康脳にする。
脳は加齢によって、徐々に小さくなっていくのは、既に述べた通りです。運動することで、脳の萎縮が止まり、健康脳になります。
- 運動を習慣にすると、海馬は萎縮せず成長する。前頭葉も同じ。
⇩ - 加齢による前頭葉の萎縮の進み具合はカロリー消費に関わる。
⇩ - カロリーをきちんと消費する(運動する)人は、前頭葉の萎縮進行が遅くなる。
⇩ - 脳が衰えない。
脳を衰えさせない最適な運動は下のものです。
- 筋トレよりも、歩く・走る(筋トレがNGではなく、まだ研究中で結果が出ていないため)
- 20~30分のウォーキングを週に5回。
- または、20分のランニングを週に3回。同等であれば、水泳やサイクリングでもよい。
まとめ
いかがでしょうか?
ここまでの、効果とそれぞれの最適運動量をまとめてみました。
運動の効果 | 運動の種類 | 運動時間 |
---|---|---|
ストレスを取り払う | 有酸素運動 | 30~45分/週2,3回 |
集中力UP | 朝にランニングなどの有酸素運動。 | 少なくとも20分以上。最大心拍数の70~75%、40代なら130回/分 |
モチベーションUP | 有酸素運動 特にインターバルトレーニングがよい。 | ランニングや同等の活動:30~40分。 20~30代は140回/分、40~50代は130回/分の心拍数が目安 |
記憶力UP | 有酸素運動と筋力トレーニングの両方 | 時間の記載なし |
ひらめき力UP | ランニングまたはそれと同等の活動 | 20~30分で2時間効果が持続。疲れるのはNG。 |
学力&IQ UP | なんでもよい。とにかく身体を動かす。 | 子供は少なくとも30は活動を続けるとよい。 |
健康脳 | ウォーキングかランニング | ウォーキング:20~30分/週5回 ランニング:20分/週3回 |
基本的に30分程度のランニング(有酸素運動)をしておけば、すべての効果を享受できそうです。
今すぐ、外に飛び出して走り出したくなったでしょう。
「時間がない」方も、運動することで、仕事などの効率や成果を上げることができて、結果、仕事がはかどったということになると思います。
また、スマホ脳を読んだ方であれば気付かれるかもしれませんが、著者の著作である「スマホ脳」では、スマホ使用は「集中力を低下させる」「ストレスがたまる」と言われており、スマホを使用する時間を30分でも運動にする時間に使用できれば、効果が倍増しますね。
本書の最後は、下のように締めくくられており、やはり習慣化が必要だよと教えてくれています。
たまに歩いたり、走ったりしても、すぐ脳の血流量は増えるが、新しい細胞や血管が形成されたり、領域同士の結合が強化されたりするまでには、ある程度の時間が必要。数か月あるいはもっと。週に数回の運動を半年ほど続ければ、目覚ましい変化を実感することになるだろう。
本記事で紹介したのは本書の一部です。運動を習慣づけるための背中を押しまくってくれる内容となっていて大変読みやすいです。興味のある方はぜひ手に取って読んでみてください。