こんにちわ!じまろーです。時間を有効に使うことに興味ありますか?ありますよね。
何かすることがなくなれば、「本を読まなければ!」「少しでも情報をインプットしなければ!」と焦っていませんか。休日は、「なにか身になることをしないと!」と焦っていませんか?
私は焦ります。通勤時間はもちろん、トイレや風呂場までスマホや本を持ち込んでインプットに勤しんでいます。
そんな生活が自分の生産性を下げていることは感じていました。頭の中はぐちゃぐちゃで整理できず、次から次にやってくるタスクが自分を焦らすのです。
そこで手に取ったのがこの本です。
まさに今の自分の状況に当てはまることばかりで、自分の為に書いてくれた本かと見違うくらいでした。
限りある時間の使い方(2022年)
オリバー・バークマン
これまでのタイムマネジメントや、タイムハックの本とは一線を画す、時間が有限であることを教えてくれる素晴らしい本です。
この記事は、下のような人に向けて書いています。
こんな方におすすめ
- 時間をうまく使いたい。
- やらなければいけないことが溢れている。
- 時間とどう向き合えばよいか。
時間の有効活用の落とし穴

時間をうまく使いたいと思うことには、下のような負の流れに陥ってしまう可能性があるといいます。
時間の使い方の落とし穴。
あふれるタスクをこなすために時間をうまく使いたい。時間を無駄にすると罪悪感を抱くようになる。
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効率を上げようとする。へとへとになるまで頑張ってタスクを完了させようとする。
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一度に複数のタスクをこなしたい誘惑に負けて、マルチタスクに手を出す。
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ものごとが思い通りに進まないと、強い不安を感じる。時間をうまく使えるかどうかが、自分という人間の価値に直結すると感じる。
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時間の有効活用ばかり考えて今を犠牲にする。何をやっても、将来のためになるかどうかが頭をよぎる。
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効率を上げるほど、ますます忙しくなる。タスクを早く片付ければタスクは積み上がる。
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全てのタスクを終わらせて、いつか好きなことだけで生きていける日が来ると信じているが、いつまでたってもそんな日は来ない。
まさに現実を突きつけられた気がします。わたしは全身ずっぽりこの落とし穴にはまっています。
ものごとには必要なだけ時間がかかるもの
もうひとつ、時間に対しての考え方を見直さなければいけないことがあります。
効率を上げたい欲望は、人々の読書にも影響を与えています。
読書に没頭できますか?読んでいる最中にも、「もっと早く読み終わればいいのに」と感じていませんか。他のやらなければいけないことが頭をよぎり、本の残りのページが気になったり、スマホに手を伸ばしたりしませんか。
これらは、「読書が時間がかかるという事実を受け入れたくない」のだそうです。そこで読書にも効率を求めるようになります。
しかし、時間をコントロールしたいという傲慢さを、読書は許してくれません。無理に急いで読もうと思っても、意味がすり抜けていくだけです。
何かをきちんと読むためには、それに必要なだけの時間がかかる。どんなに急いでも不安は減らない。
これを忘れてはいけません。私はすっかり抜け落ちていました。
無理に時間短縮して意味がなくなることは、読書だけでなく嫌になるほど多くのことにあてはまる事実なのです。
焦る気持ちと、必要な時間をかける、という2つのことに折り合いをつけるためには、時間をコントロールできるという幻想を捨てて、ありのままの現実を醒めた目で見ることです。それが、焦りや不安があってもすぐに取り除こうとしない「忍耐」を与えてくれるといいます。
あふれるタスクにどう向き合えばよいか。
目の前にタスクが積み上がっていると、どうしてもやりたくなりますよね。片付けるとすっきり気持ちいいですから。効率を上げて、夜遅くまで頑張ってでもタスクを片付けて、今日を終えたいと思うものです。
しかし、いくら効率を上げても忙しさは変わらないし、1日に詰め込むタスクを増やしても重要なことを全部やるだけの時間は生まれません。
自分や上司、仕事相手にとって重要なことが、時間通りに実行可能と考える根拠はどこにもないのです。さらにそのタスクをこなすと期待値はあがってしまいタスクは増えることになります。
それではどうすればよいか。
必要なことは、すべてを効率的にこなそうとするのではなく、その逆で、すべてをこなそうとする誘惑に打ち勝つこと。
もう少し具体的にいうと、
- すべてをやりきれないという不安をかかえること。
- やりたい誘惑を振り切り、あえてやらないと決めること。
つまり、すっきりしたい欲を抑えて、耐えることが大事なのです。
忍耐を身につける3つのルール
ここまでの内容から、限りある時間の使い方には、時間への幻想を捨て、焦りや不安と共存していく忍耐が必要ということです。
それでは、その忍耐を身につけるにはどうしたらいいか。下の3つが紹介されています。
- 問題のある状態を楽しむ
「何も問題のない状態」に到達したくて、すぐに解決したがるが、その結果、問題自体だけでなく「問題がある」こと自体が問題と感じられ、2重に苦しむことになる。
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しかし、問題の全くない状態というのはない。
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すべての問題を解決済みにするという目標をあきらめる。 - 短い時間を毎日続ける
エネルギーが有り余っていても、決めた時間以上はやらないこと。
途中で思い切ってやめることで、忍耐力が鍛えられる。 - かけがえのない成果を得るには、たっぷり時間をかける必要がある。
現実を速めようとするのではなく、現在地をゆっくり楽しむ。
長い時間をかけることから得る楽しみを知る。
忍耐を身につける具体的な方法としては、「何もしない練習」というものがあります。

ハーバード大学の美術史の授業では、「美術館で絵画か彫刻を1つ選び3時間ずっとみる」という課題をしています。
課題を受けた人は、我慢→退屈→イラつきと気持ちが変化しますが、80分も経つ頃、時間を進めたいという無駄な努力を放棄すると不快感が消え、今まで全く気付かなかった美術品のディテールに気付くようになるとのことです。
あることをするためには、必要な時間があるということを如実に表している例ですね。
まとめ
いかがでしょうか。
もっと具体的な時間術を紹介されると思っていた方から見たら肩透かしでしょうか。なんせ重要なのは「忍耐」の地味な2文字ですもんね。
しかし、私には響きました。
本書の内容をおおきくまとめると、下のようになります。
限りない時間の使い方
- あふれるタスクを全部片付けようとしない。
- タスクをやりきれないという不安と共存する。
- 本当に重要なことに時間をたっぷりかける。
気を付けないといけないのは、タスクを放棄してダラダラ何もしない生活をするのを推奨しているわけでなないということです。
結局、重要なことは「中庸」ということだと思いました。
- 時間効率ばかり考えて、気持ちを焦らして忙しくする。←やりすぎ。
- あふれるタスクに向き合わずにだらだら過ごす。←やりすぎ
わたしは完全に①ですが、少しアクセルをゆるめて、スローな景色に不安を感じても我慢して、その景色を楽しめるようになりたいと思いました。
本書には、ここで紹介した以外にも、まだまだ紹介しきれていない内容があります。興味がある方は是非手に取って読んでみてください。