こんにちわ!じまろーです。
コンピューターの普及によって、わたしたちの仕事の形も変わってきています。これまで必要とされてきた「記憶」という能力は、コンピューターにかないません。現代のわたしたちに必要な能力は「創造力」。そう言われています。
創造力があることで、時間効率も上げ、仕事の成果もあげる。
ということで、今回は下の本を要約させていただきます。
アイデアのつくり方(1988年 第1刷)
ジェームス・W・ヤング
原著は、なんと1940年に刊行され、80年以上も世界中の経営者、クリエイター、ビジネスマンを魅了してきた名著です。
本編65ページ、解説30ページの100ページ程度の本ですが、1文字も逃せない充実ぶりです。
この記事は、下のような人に向けて書いています。
こんな方におすすめ
- アイデアが思いつくようになりたい。
- 本書の内容をかいつまんで知りたい。
アイデア作成の基礎となる2つの原理
本書では、アイデア作成の基礎となる原理を説明しています。アイデアとは?という問いへの回答にもなっているので、この2つの原理はしっかり理解する必要があります。
- アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない。
- 既存の要素を新しく組み合わせる才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する。
この原理 について、分かりやすい例を紹介します。
ドイツのアルフレッド・ウェゲナーが提唱した「大陸移動説」は、地球の表面を1年間に数cmの速度で大陸が移動するというもでの、当時としては奇想天外な考え方(アイデア)でした。
この考えは、例えば、大西洋の両側にある2つの大陸を、海岸線でくっつけるとパズルのようにピタっとあって一つの大陸のようになる事実や、その他の数百の事実から示されたものですが、それらの事実のほとんど全てが、ウェゲナー以前に指摘されていた事実であり、その意味で、それらは既存の要素だったのです。
しかし、「大陸移動説」を主張した人はいませんでした。その既存の要素の関連性を見つけ出し、組み合わせて新しいアイデアを作ったのがウェゲナーでした。
どうでしょう。アイデアというものが、どういうものか分かった気がしませんか。
アイデアを作る実践的な方法
アイデアを作る技術には、5つの段階があります。この順番は1段階から5段階まで順番に進み、決して先行する段階が完了するまで、次の段階へ進んではいけないという掟があります。
第1段階 資料収集
第一段階は資料収集です。まず、この段階で多くの人は、この雑仕事を省略したくなるため、脱落する人が多いです。
つまりは、この資料収集が他の人と差をつける大事な段階といえますね。
資料は下のように2種類の資料収集が必要です。
- 専門的な資料
- 一般教養的な資料
専門的な資料といっても、ある1つの分野の専門資料ということではなく、違う分野の専門資料も必要であり、また専門資料ばかり収集してもだめで、一般教養的な資料と組み合わせることで、アイデアは生まれます。
収集方法については、詳細割愛しますが、ネタ帳を作って、スクラップやファイル化をするということです。
つまり、いろんなことに興味をもって、幅広く資料を集めていく必要がありますね。
第2段階 資料を咀嚼
第2段階では、第1段階で集めた資料をこねくり回す作業です。この段階が、かなり大変です。この段階でほとんどの人が脱落します。
1つの資料を取り上げて、あっちに向けてみたり、違った光のもとで眺めてみたりと、その意味を探し求めます。そして2つの事実を並べて、どうすれば、この2つがかみ合うかを調べます。資料と資料のジグソーパズルのようなイメージです。
事実というものは、まともに直視したり、字の意味とおりに解釈しない方が、いっそう早く、その意味が見えてくることが多々あるとのことです。
上の作業を続けると、まず部分的なアイデアが訪れてきます。そのアイデアはどんな突飛なものでもメモするようにしましょう。
これをさらに続けると、何も浮かばなくなり疲れて嫌気がさしてきます。そして、ついには何も生まれないのでは?と絶望状態になります。この状態が、第3段階に移る準備ができた状態です。
第3段階 問題を完全に放棄
ここでは、今まで考えていた問題をできるだけ完全に心の外に放り出します。
問題を完全に放棄して、何でもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに心を移します。
それは、音楽を聞いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や小説を読んだりといったリラックスできるようなことです。
なんと、第3段階はこれだけです。
第4段階 アイデアが降りてくる
第1から第3段階まで、やるべきことをやりとげたら、確実に第4段階を経験する。と本書にビシっと書いてます。
つまり、アイデアが降りてくるのです。
たとえば、ひげを剃っている時、風呂に入っている時、目が覚めきってない朝などに、ふいに現れるとのことです。
第5段階 アイデアを現実の世界に連れ出す
第4段階で生まれたアイデアのほとんどは、陽の目を見ずに失われていきます。それは、生まれたアイデアが、それほど素晴らしいものではないことに自分で気付いてしまうからです。そして、自分の胸にしまいこんでしまいます。
この第5段階では、そのアイデアに陽の目を見せてあげるための段階で、最終段階です。
生まれたアイデアは、最初はたいしたものでないことも多いです。それを成長させる作業が必要です。
- アイデアが実際に使われる場である現実の過酷な条件とか、世知辛さといったものに適合させるために、忍耐強くいろいろな手を加える。
- そして、理解ある人の批判をあおぐ。
上の2点を実行することで、いいアイデアは勝手に成長していきます。良いアイデアは、見る人を刺激するので、そのアイデアに手を貸してくれる人が現れるんですね。
まとめ
いかがでしょうか?
実際にアイデアを生み出す仕事をされている方にとっては、腹落ちすることも多かったのではないでしょうか。
しかし、やり方は分かったけど、実践するのは大変だと思われたでしょうか?特に第1段階と第2段階は、なかなかにハードル高いですね。
どこまで、幅広く資料を収集するのか、はたまた、もう何も生まれない!って絶望を感じるまで考え続けるって途方もない時間が必要ではないのか、不安になりますよね。確かに、時間は必要で、「その時間がない!」と感じる人も多いと思います。
本書の解説部分に、時間に関していいなと思った内容がありましたので、紹介します。
それは、「中庸に考える」ということです。
デカルトの言葉に下のようなものがあります。
人々は、それぞれの人生の大目標をもっており、その実現に全力を注いでいる。しかし、その一方で、日常的な生活を生きなければならない。この場合にその日常的な事柄の1つ1つについて熟考するのは面倒であり、頭脳と時間の浪費でもある。
この考えを解決するための考えが「中庸」です。
中庸な考え方
極端でなく、妥当であること。おだやかで行き過ぎのないこと。
どうでもよいことについては、最も常識的で、最も穏健な意見に従うのがよい。そうやって、中庸の道を選ぶことで、自分の人生の大目標に全力を集中しえる
どうでもいいことについて、常識的で穏健な意見に従っていればいいよって考えは好きですね。ぜひ実践しようと思いました。
そして、本書のアイデアのつくり方の考え尽くした後は、放っておくと、ふとしたときにアイデアが降ってくるという内容は、以前要約させていただいた「思考の整理学(外山滋比古著)」と通じるところがあり、おもしろいです。名著と言われるこの2冊で同じことを言っている。これは、実践するしかないですね。
スマホにアイデアが思いつく場所を奪われている「思考の整理学」【要約】
こんにちわ!じまろーです。 知識欲が人並みにあるわたしですが、なかなかその知識の定着が進まない今日この頃。 頭の中がごちゃごちゃしていて、どうにか頭の中を整理したい!と思い、何かいい方法はないかと考え ...
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