食べ物

さつまいもの科学。胃腸が弱い人は、甘~いねっとり焼き芋がおすすめ。アミラーゼに存分に働いてもらう。

こんにちわ。じまろーです。

さつまいも主食計画を検討しています。

その理由は2つ。

さつまいも主食計画の理由

沖縄の長寿食については、下の本を要約させてもらっていますので、ぜひご覧ください。

沖縄の百寿者研究から学ぶ健康長寿の食事法「オキナワ式食生活革命」【要約】

こんにちわ!じまろーです。 今回、要約させていただく本は下の本です。 オキナワ式食生活革命ブラッドリー・ウィルコックス、クレイグ・ウィルコックス、鈴木信著2004年発刊 沖縄本島北部、国頭郡の浜辺に石 ...

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さつまいもを主食にする際に、気になっていることは下の3点。

気になる点

  • さつまいもって、ごはんや玄米に代わって、主食になれますか?
  • 甘いさつまいもは糖質が多く、血糖値に与える影響は大きいのでは?
  • 胃腸よわよわなんですが、食物繊維の多いさつまいもは消化にパワーいるのでは?

ここらへんを、じまろー的に調べてみました。

こんな方におすすめ

  • わたし、胃腸が弱いんですが、焼き芋食べれますか?
  • わたし、ダイエット中ですが、焼き芋食べていいですか?
  • 焼き芋のGI値、GL値が気になります。
  • 焼き芋って、どうやったら甘くなりますか?
  • さつまいもを甘~くするには、どう調理すればいいですか?

 

さつまいもの栄養

まずは、下の比較表をご覧ください。

サツマイモの主要栄養成分値(可食部100g当たり)

焼き芋と玄米の比較

さつまいもは、白米はもとより、玄米にも負けない栄養素を誇っています。

可食部100gで比較すると、エネルギー(cal)はほぼ同じです。特筆すべきは、下の栄養素でぶっちぎっていることですね。

さつまいもの栄養 対 玄米

  • カリウム:540mg 対 95mg
  • カルシウム:34mg 対 7mg
  • ビタミンE:1.3mg 対 0.5mg
  • ビタミンC:23mg 対 0
  • 葉酸:47mg 対 10mg
  • 食物繊維:3.5g 対 1.4g

それぞれの栄養素の効能は割愛しますが、ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれているのがよく分かると思います。このバランスの良さから「準完全食品」と呼ばれたりします。

ビタミンCが含まれているってのは魅力ですよね。またさつまいもに含まれるビタミンCは、他の野菜と比較して、より熱に強いことが分かっています。朗報です。

  

その他の特筆すべき栄養

栄養成分表に出てこない成分で特筆すべきものがあります。

ポリフェノール(フラボノイド)

さつまいもに含まれるフラボノイド

  • クロロゲン酸
    抗酸化作用・アンチエイジング、抗がん作用、脂肪吸収を抑える
  • アントシアニン
    抗酸化作用、抗炎症作用

クロロゲン酸は、コーヒーに含まれるポリフェノールとして有名。含まれるクロロゲン酸は、コーヒー1杯あたり55~240mgに対し、さつまいも100gあたり228mgで、コーヒーに劣らない量が含まれています。

さつまいものアントシアニンは、皮部に多く含まれているので、皮を食べることが推奨されています。皮だけでなく肉の部分も紫色したさつまいもは、肉の部分にも含まれています。

  

ヤラピン

さつまいもには、さつまいもにしか含まれない「ヤラピン」という成分が含まれています。ヤラピンと食物繊維との相乗効果により便秘を防ぐと言われています。

  

さつまいものGI値、GL値

さつまいものGI値

主要な主食のGI値は下のとおりです。

 GI値
さつまいも55
じゃがいも90
玄米55
精白米88

GI値

グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食品を摂取した後の血糖値の上昇度合いを表したもの。

GI値が高い食品は血糖値が急激に上がりやすく、低い食品は緩やかに上昇していきます。

さつまいものGI値は55です。玄米と同じで低GI食品となります。(GI値60以下が低GI食品)

ただし、この値は調理法が考慮されていません。生食の場合のGI値です。

調理法を考慮すると、下のようになります。

 GI値
干し芋55
焼き芋80~85
茹で芋40~45
蒸し芋45~50

おいも美腸研究所

となります。

  

さつまいものGL値

GL値

グリセミック・ロード(Glycemic Load)の略で、食べる量まで加味して血糖値の上がりやすさを計算した数値。

GL値=食品に含まれる炭水化物の量(g)×GI値÷100で計算されます。

10以下の食品は「低GL」、11~19は「中GL」、20以上は「高GL」とされます。

焼いものGL値は、上記の式で考えると、さつまいも可食部100gあたりの炭水化物量は39gなので、39g×85(GI値)÷100=33.15

高GL食品となります。精白米と同等レベルです。

GI値もGL値も高いですね。これを解決する方法は、冷やすことです。

焼いもを冷やすと

焼き芋に含まれる「デンプン」は、冷やすことで「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」に変化します。 レジスタントスターチは食物繊維と同様の働きをするため、血糖値の急上昇を抑え、中性脂肪を減少させる効果があります。 腸内の善玉菌のエサにもなり、便秘予防・改善にも期待大です。

  

焼き芋の科学(βアミラーゼの力)

焼き芋調理は奥が深いです。

焼き芋の重要な要素として、「柔らかさ」と「甘味」があります。

さつまいもの柔らかさ

人間は、生のデンプンは消化できないので、多量の生のさつまいもを食べると消化不良を起こすことがあります。焼き芋などの加熱調理は、まず、熱によって生の細胞を壊し、ある程度、組織の構造を破壊することによって、いもを軟らかくする必要があります。組織や細胞の構造をある程度壊すためには、高温が必要で、100℃まで上げることが望ましいと言われています。

  

さつまいもの甘味

さつまいもには、βアミラーゼという消化酵素が含まれていて、この消化酵素が焼き芋の調理過程で、デンプンを分解してくれます。この分解で、麦芽糖(マルトース)ができるのですが、これが甘いのです。

アミラーゼとは

デンプン(糖質)を分解して糖にする酵素で、人間の唾液や膵液に含まれるαアミラーゼと、さつまいもや小麦、大豆などに含まるβアミラーゼがあります。

麦芽糖(マルトース)

麦芽糖とは、ブドウ糖(グルコース)が2個つながった2糖類で、砂糖の1/3程度の甘味があります。ちなみに砂糖(ショ糖)は、ブドウ糖と果糖で出来た2糖類です。

デンプンは、ブドウ糖のみから構成される単純多糖類となります。

単糖類(ブドウ糖、果糖)は、糖の最小単位で、単糖類まで分解されると、体内に吸収されます。

「デンプン(多糖類)→麦芽糖(2糖類)→ブドウ糖(単糖類)→体内吸収」という流れで分解されます。

下の表は、生芋、焼き芋の糖量を比較したものです。焼き芋でグーンと麦芽糖(マルトース)が増えていますね。

しかし、このβアミラーゼは、生のデンプンには作用できません。この酵素は、糊のような状態(この状態を糊化といいます)になったデンプンに作用するのですが、さつまいもの多くは、およそ70℃以上の温度で糊の状態に変わるので、焼き芋の甘味の元となる麦芽糖は、70℃以上で生成します。

一方、β-アミラーゼはタンパク質なので、高温で変性して麦芽糖を作る作用を失います。サツマイモのβアミラーゼは比較的熱に弱く、約70℃で壊れてしまいます。つまり、サツマイモ品種が甘くなるのは、デンプンが糊化していて、なおかつβ-アミラーゼが壊れていない70℃前後の極く狭~い温度の範囲だけなのです。

このことから、柔らかくて、甘~い焼き芋を作ろうと思ったら、麦芽糖が生成する70℃付近の温度を長~く保って、最終的には100℃近くまで温度が上る調理法が必要です。

奥深いでしょ。

この70℃付近の温度をどれだけ長くキープできるかが肝で、ゆっくりと時間をかけて加熱する石焼き芋は、科学的に理にかなっているんですね。

電子レンジでは、70℃の温度がキープできず、低温調理では、最後の100℃まで温度を上げられないので、おいしい焼き芋ができないのですね。

  

まとめ

いかがでしょうか?

焼き芋は奥が深いですね。

よく「消化は咀嚼からすでに始まっている。だから、よく噛んで食べましょう」と言いますよね。よく噛むことで、胃腸の負担を軽減してくれるのです。

今回、紹介した焼きいもの麦芽糖生成のメカニズムは、口に入る前にも、デンプンの分解を進めてくれるということになります。70℃の温度をキープすればするほど、麦芽糖(マルトース)が増え、それにともない、いもはどんどん甘くなり、どんどん胃腸に優しくなるのです。

胃腸が弱い方は、唾液や膵液がデンプンを消化する働きを、さつまいもが持つβアミラーゼに一部、お任せしてしまうことができるんですね。

デンプン分解の順番
焼いも調理(βアミラーゼ)→唾液(αアミラーゼ)→膵液(αアミラーゼ)

さつまいもの評価まとめ

  • 栄養は問題なし!
    主食とは思えないミネラル、ビタミンもバランスよく含んだ「準完全食品」
  • GI値、GL値は高い。
    食べ過ぎは血糖値の乱高下を招きます。量は少なくして、GI値やGL値が低い食品と一緒に食べることが必要。
  • おいしい焼き芋を作る方法は科学的に説明できる。
    大事なのは、βアミラーゼを活性させる温度管理。
  • 調理方法次第でデンプンの分解が進み、胃腸に優しい主食になる。
    さつまいものもつβアミラーゼに消化の一部を肩代わりしてもらって、胃腸の負担を軽減。

胃腸の調子がよければ、ホクホク焼いもや、蒸しいもで、ダイエット用には、食べる前に冷やしてレジスタントスターチを増やしてから食べましょう。

胃腸の弱っているときは、ネットリ蜜たっぷりの焼き芋を少量がおすすめです。

血糖値コントロールしながら、おいしいさつまいもライフを送りましょう。

  

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