こんにちわ!じまろーです。
「マインドフル・イーティング」ってご存じですか?
簡単に言うと、マインドフルネスを食事しながら実践するってものです。
例えば、下のようなことが思い当たる人は、マインドフル・イーティングができていません。
- スマホ片手に食事することが多い。
- 考え事しながら食べて、食べ終わったときに何を食べていたか思い出せない。
- イライラしたり、悲しいときに、どか食いや間食の量が増えてしまう。
- 時間がなく、口の中にいろんなものを放り込んで、よく噛まずに飲み込んでいる。
いやぁ、わたしもできていません。
しかし、このマインドフル・イーティング。調べれば調べるほど、いいことばかり。特に胃腸が弱いとお悩みの方には、とっておきの秘策となるかもしれません。
食事の時間を楽しむことの大切さを知ることができますので、少しでも興味が湧きましたら、本記事を読んでみてください。
この記事は、下のような人に向けて書いています。
こんな方におすすめ
- マインドフル・イーティングってなんですか?
- マインドフル・イーティングするといいことありますか?
- 食事の時間こそ、マルチタスクでいろんな知識を入れる時間と思ってます。
- 食べるだけで、栄養になるんじゃないですか?
- マインドフル・イーティングが消化力向上するって本当ですか?
マインドフル・イーティングとは
マインドフル・イーティングとは、下のように定義されています。
マインドフル・イーティングとは
- 価値判断せずに、食べ物や食事で感じることに注意を払うこと。
- すべての瞬間に、内側(いろいろな考えや感情、空腹感、味覚、満腹感など)と外側(さまざまな食べ物の栄養価など)の両者に気付くこと。
- 身体的な空腹感と、さまざまな強い感情や考え、社会的プレッシャーのような、その他の食行動への引き金となるものとの違いを正しく理解すること。
- 自分が楽しめて、身体に栄養を与えてくれる食べ物を、できるだけ多く食べる選択をすること。
- ひと口ずつ、噛むごとに変化し、展開していく食べ物の味を感じること。
- 胃の満腹感がどのように生じるのか、また十分に食べ終わったならどのように感じるのか、気づくこと。
ちょっと、難しいですね。ざっくり言うと、
食事のときは、食べることだけに意識を向けて、ひと口ずつゆっくり味わって、食べることをリラックスして楽しむ。
ということです。
でも、これができていないからといって、何も不都合ありませんよ?って思いますか?
それが大ありなんです。それを下に紹介します。
食事中は食事だけに意識を向ける。
食事に意識を向けることは、想像よりもメリットがあります。
マルチタスクで食事することの害
1987年にGastroenterologyに掲載された下の研究があります。
- まず、リラックスした状態でミネラルドリンクを飲みます。その後、ミネラルドリンクの栄養素がどれくらい吸収されたかを調べると、栄養素が100%吸収されていました。
- 次に、2人の異なる人から同時に別の話をされながら、ミネラルドリンクを飲みました。その後、同様に吸収された栄養素を調べたところ、消化作用の著しい低下が確認され、それはその後最大1時間も続きました。
マルチタスクでの食事を脳がストレスと認識し、ストレス反応の1つである「闘争・逃走反応」が発動して、消化機能を抑えてしまうのです。
闘争・逃走反応
ストレス反応の1つで五感が研ぎ澄まされ、脳は情報を急速に処理できるようになる。その反面、闘ったり逃げたりするのに重要でない消化機能や生殖機能は低下する。
スマホみながら食事するだけで、本当は吸収されるはずの栄養素を捨ててしまっていたのかと思うと、もったいないですね。
食事中のマルチタスクは脳がストレスと認識するのでやめましょう
食事以外でもマルチタスクの害は、恐るべきものです。そちらは下の記事で「シングルタスク(一点集中術)」を要約させていただいていますので、興味のある方はご覧ください。
マルチタスクの害が怖すぎる。「シングルタスク 一点集中術」【要約】
こんにちわ!じまろーです。 マルチタスクしていませんか? マルチタスクが、仕事の能率を下げるよってことは、すでに周知に事実だと思われます。 しかし、マルチタスクせずにシングルタスクをできていますか?と ...
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食事前に思いを馳せるのも大切。
「パブロフの犬」をご存じでしょうか。
パブロフの犬
ロシアのパブロフ(1849〜1936年)が実験で発見した生理現象で、犬にベルを鳴らしてえさを与え続けると、ベルを鳴らしただけで、犬がだ液を分泌するようになる、というもの。
唾液が分泌されるということは、消化準備ができていますよってことで、これは、食べなくても、身体が食べる準備をしているということです。もちろん、この生理現象は人間にもあって、おいしそうな匂いをかぐだけで、唾液が出てくる経験があると思います。実は、そのときに唾液だけでなく胃液や膵液、インスリンも分泌されているのです。(口腔感覚情報の生体機能調節における役割:1993)
これを頭相(とうそう)反応といいます。
頭相反応
食べるものを見て、においを嗅ぐだけで、食物が消化管に入る前に感覚神経、脳を介して、唾液や消化液(胃液、膵液など)が分泌される反応。
まずは食べ物を目と鼻などで楽しみ、口の中で食感を楽しむと、体は栄養素と吸収の準備を始めてくれます。これは、消化活動を円滑にスタートさせる意味で極めて重要な役割を果たしています。
そして、食べるものを見るまでもなく、食事前にお腹を空かして何を食べるかなぁと夢想するだけでも、体は準備を始めてくれます。
これは、食べ始める前に食べ物に注意を払わず、食事の直前まで違う作業をし、食事中は何を食べているか認識せずに皿にあるものを口に放り込むという食べ方は、有益な消化活動を引き起こせません。
目、鼻、口、五感を使って、体に食事の準備をさせることが大事。
食事はリラックスしてゆっくりと。
そして、リラックスしてゆっくり食べることも、想像するよりも大きなメリットを享受できそうです。
フレンチパラドックス
リラックスしてゆっくり食べる人たちと言うと、どこの国の人たちでしょうか。
そうです、フランス人です。「フレンチパラドックス」という言葉をご存じでしょうか?
フレンチパラドックス
フランス人は、相対的に喫煙率が高く、肉やバターなどの飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事や、高アルコールの食事を摂取しているにもかかわらず、健康状態が優れているという逆説的な疫学的な観察のこと。
この原因のひとつは赤ワインとも言われていますが、何時間もかけて食事を楽しむ食文化にあるのではないかと言われています。
確かにフランスの食事は、1品1品がゆっくり出てきて、リラックスして食事を楽しんでいますよね。それが食べ方の理想なのかもしれません。
ゆっくり食べること。
まずゆっくり食べることのメリットは、下のようなものがあります。
ゆっくり食べると
- 噛む回数が増える。⇒唾液の分泌を促す。
- 血糖値の急上昇を防ぐ。
- 胃液の分泌を促す。胃腸の負担が少ない。
- 満腹になりやすく、食べ過ぎを防ぐ。
これは、分かりやすいですよね。
リラックスして食べること。
イライラしたり、悲しい気持ちで食べることは、上で述べたマルチタスクしながらの食事と同様に、「闘争・逃走反応」というストレス反応を発動させるため、消化活動が抑えられます。
ストレス状態での食事がどれだけ体に悪いのか、ってのが下のようなことです。
ストレス状態での食事
- 消化酵素の分泌が少くなる。
- 消化不良を起こし、多くのビタミンやミネラルは分解、吸収されません。
- 代謝能力が損なわれる。
- 酪酸を代謝する細胞の能力も損なわれます。代わりに体は筋肉を破壊し、脂肪に置き換えます。これを続けると体重増加につながります。
- 過剰なブドウ糖を放出する。
- ストレス反応の間、過剰なブドウ糖が血液中に放出され、エネルギーを供給し、血糖値を上げるます。次にすい臓がインスリンを放出します。これが、糖分を含む食品への渇望を生みます。
思っていた以上に、イライラした状態での食事が体に悪いことが分かってもらえたと思います。
イライラしたり、悲しい気持ちなどストレスを感じながらの食事は闘争・逃走反応が発動するのでNG!
まとめ
いかがでしょうか?
食事の時間を軽んじてませんか?
私は軽んじてました。食事の時間こそ、Youtubeや本を読みながらなど、いろんなことを一緒にできて効率が上がるなんてことさえ思っていました。
しかし、わたしたちの身体は、胃がただ食べ物が来たら、それを受け入れて淡々と消化するというような機械的に作業されるようなものではないんです。
私たちの身体は、食事前から来るぞ来るぞと、食べ物を待ち受けて準備します。そして、食事中も脳と連携して、来た来たと、消化活動に勤しんでくれます。
イライラしたり、悲しい気持ちで食事すると、消化機能もシューンと落ち込んで、やる気をなくしてしまうんです。
食事の時間は、食事を楽しむ
こんな単純なことが、「マインドフル・イーティング」の神髄なのだと思います。
しっかり食事の時間をとって、ゆっくり楽しんで食事をする。これって人生も楽しいものになりそうですよね。食事の時間に別のことをして、一挙両得なんて思わないで、食事の時間に食事を楽しむことで、身体の健康と心の健康の一挙両得を目指しましょう!
マインドフル・イーティングを本格的にやってみたい!という方は、下の本で、1つ1つ順序だててマインドフル・イーティングのやり方を実践方法が紹介されていますので、ぜひ手に取って読んでみてください。