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たった4分で驚きの運動効果。HIITの一種、タバタトレーニングの科学的根拠

2022年8月21日

こんにちわ!じまろーです。

運動が心身の健康に良いってことは、既に周知の事実です。

運動のメリット

しかし、運動がなかなか習慣化しない人も多いのではないでしょうか。

その理由は下の2点と考えます。

運動が習慣化しない理由

  • 時間がない。
  • どんな運動をすればいいのか分からない。

まず、わたしたちは圧倒的に時間が足りないです。やりたいことをやるために、やらないことを決めなければいけない時代です。

そして、どうせ運動やるなら、効果のないものをだらだらやる時間がない!って気持ちになりますよね。

そんなあなたにぴったりの運動が、HIITの一種である「タバタトレーニング」です。

HIITとは

High intensity interval training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)の略で、高強度インターバルトレーニングです。

インターバルトレーニングとは、高負荷の運動と低負荷の運動を交互に入れるエクササイズのことで、その高負荷運動の強度を高めたものがHIITとなります。

1日たった4分の運動を週に3回続けるだけで、最大の運動効果が得られます。しかもジムに行かずとも自宅でできます

いやいや、信じられないですよね。信じられないなら、たった4分でも続けることは難しいです。習慣化しません。

ということで、今回、このタバタトレーニングの運動効果の科学的根拠を紹介します。本記事の内容は下の本を参照しています。

  

この記事は、下のような人に向けて書いています。

こんな方におすすめ

  • 運動が1日4分、週3回でいいなんて信じられません。
  • 1日4分、週3回の運動でどれくらい効果があるのか気になります。
  • タバタトレーニングって何ですか?
  • HIITとは違うんですか?

  

タバタトレーニングとは

タバタトレーニングとは、本メソッドを考案された、田畑泉教授(立命館大学 スポーツ健康科学部 学部長)の名前から取られたもので、1996年に田畑教授が発表した論文が元になっています。2004年に日本に先駆けアメリカでブームとなり、その後日本に逆輸入されることとなりました。

タバタトレーニング

  • 20秒の高強度の運動+10秒の休息を6~8セット繰り返す計3~4分のトレーニング
  • 酸素最大摂取量の170%の強度が目標。目安は6~8セットで疲労困憊になる強度です。自分なりの最大の努力でやるつもりで問題なし。
    最大心拍数が、「220ー年齢(拍/分)の90%程度」となるのが目標となりますが、仮に80%や70%でもそれなりの効果が得られることが分かっています。

わたしは45歳なので、上の計算では、(220-45)×0.9=157.5拍/分です。これはかなりきつくて、70%だと122拍/分。わたしは、最大の努力で135拍/分くらいになるので、毎回これくらいを目指してやっています。

今では、だいたいのスマートウォッチで心拍数を測定してくれるので、助かりますね。

  

タバタトレーニングとHIITの違い

タバタトレーニングは、HIITの一種ということができます。

その違いは、下のようなものです。

HIIT(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)は、高強度と低強度を交互に繰り返すトレーニングで、低強度時もゆっくりジョギングなど、完全に休息しないトレーニングも含まれます。

タバタトレーニングは、20秒の高強度、10秒の完全休息という時間配分を決めています。それは、研究により、この割合が間欠式トレーニングで最も効率よく成果がでる運動時間と休憩時間の組み合わせであったからです。

  

タバタトレーニングの効果

なんといっても、タバタトレーニングのすごいところは、たった4分で、有酸素性運動機能と、無酸素性運動機能の両方を劇的に伸ばすことができことです。

身体には「有酸素性エネルギー(酸素を取り込んでできるエネルギー)」と「無酸素性エネルギー(酸素を使わずにできるエネルギー)」の2つのエネルギー供給機構があります。
「有酸素性エネルギー」は、ジョギングやエアロビクスなどの有酸素性運動で鍛えることができ、持久力が上がります。「無酸素性エネルギー」は、中距離走のような運動で鍛えることができます。

田畑教授が実施した実験では、タバタトレーニングを1日4分週4回6週間続けたところ、有酸素性エネルギーが10%、無酸素性エネルギーが30%も向上したというのです。

  

有酸素性エネルギー供給機構

有酸素性運動は、ジョギングなどの軽めの運動がよい例です。有酸素という名のとおり、酸素をエネルギーに変える運動です。

有酸素性エネルギー供給機構

酸素+炭水化物あるいは脂質 ⇒ 二酸化炭素+水+エネルギー(ATP)

有酸素エネルギー機構の能力は、最大酸素摂取量によって指標化される。すなわち、この最大酸素摂取量を高めることが、持久力などの能力向上に大きな役割を果たす。

  • 最大酸素摂取量には、個人差があり、それがヒトの多くの機能に影響を与える。
  • 最大酸素摂取量は加齢により低下する。
  • 最大酸素摂取量が高い人ほど糖代謝(インスリン感受性)が高く、糖尿病予防のためにも重要。
  • タバタトレーニングは、最大酸素摂取量を増加させることができる。

  

無酸素性エネルギー供給機構

無酸素性運動は、ダッシュや筋トレから、3000m走などの中距離走、すなわち10分程度で終了するような運動です。高いパワーを発揮できる反面、長時間は続かないという特徴があります。

無酸素性エネルギー供給機構

無酸素性エネルギー供給機構には下の2つのルートがあります。

  • グリコーゲン ⇒ 乳酸+エネルギー(ATP)
  • クレアチリン酸+ADP ⇒ クレアチン+エネルギー(ATP)

ヒトがある運動をすると、必要な酸素量まで達して有酸素性エネルギー供給機構がフル稼働できるようになるまでの間、無酸素エネルギー供給機構からエネルギーを借金してまかなうというシステムになっています。

この「借金」の部分を「酸素借」といい酸素量で置き換えて考えます。この酸素借の最大値(最大酸素借)が無酸素性エネルギー供給機構の能力の最大となります。

  • 最大酸素借には個人差がある。
  • 陸上競技の中距離走の選手や、球技系の競技選手が、酸素借の最大値が高く、酸素借の値が高いほど競技成績も上がる傾向がある。
  • タバタトレーニングで、最大酸素借を増加させることができる。

  

タバタトレーニングの科学的根拠

タバタトレーニングの効果実験の紹介です。

タバタトレーニングとより高負荷運動との比較

自転車のエルゴメータ運動を下の2つで実施
・最大酸素摂取量の170%の強度の運動を20秒、10秒休息を6~7セット行うタバタトレーニング①
・最大酸素摂取量の220%の強度の運動を30秒、2分の休息を3~4セット行うトレーニング②
どちらも疲労困憊状態に至る間欠運動

実験の結果、①のトレーニングでは、運動中の酸素摂取量(有酸素エネルギー)が、最大酸素摂取量と同じ程度まで到達しましたが、②のトレーニングでは最大酸素摂取量まで到達しませんでした。つまり、実験②では、有酸素エネルギー供給機構に十分な負荷をかかることができないことを示しています。

また酸素借(無酸素エネルギー)では、①のトレーニングでも最大酸素借と同じ程度となり、無酸素性エネルギー供給系にも最高の負荷をかけることができてます。

  

タバタトレーニングと有酸素性運動との比較

下の2つを6週間実施
・最大酸素摂取量の170%の強度の運動を20秒、10秒休息を6~7セット行うタバタトレーニング③
・最大酸素摂取量の70%程度の運動(一般的に有酸素性運動と言われる強度の運動)④

③④の両者とも6週間で最大酸素摂取量が12~13%向上しました。④については有酸素性運動なので、伸びて当然ですが、タバタトレーニングでも同様に伸びていました。

また、無酸素性エネルギー供給系では、④のトレーニングは最大酸素借の向上はなかったが、③のタバタトレーニングは、最大酸素借が35%も向上した。

  

タバタトレーニングの健康効果

運動が健康に良いと聞くと「強度の低い、有酸素性運動」を思い浮かべる人が多いと思います。

それは、長時間の低・中強度の有酸素性運動で下のタンパク質の濃度が増加することに起因するものです。

  • GULT4:糖尿病の予防や治療に関連するタンパク質
  • PGC-1α:持久力を高めるとされてきたタンパク質。GULT4のようなタンパク質の増加や、持久力と関係が深いミトコンドリアの合成を促進する働きをもつ。

タバタトレーニングのような高強度間欠式トレーニングでも同じように、上のタンパク質が増加することが確認されました。

比較実験では、6時間の低強度水泳運動と280秒のタバタトレーニングで増加するGULT4が同程度であったといいます。そりゃ、280秒の運動を選びますよね。

さらに、タバタトレーニングの4分の運動でも、PGC-1αは運動後に少なくとも24時間は高い数値をキープできることが分かっています。週に1回しか運動しないとこのPGC-1αは元にもどってしまいますが、週3回のペースだと、PGC-1αを常に高いレベルに保ち、糖代謝や持久力を増す作用が持続します。

これが、タバタトレーニングを週3回するとよい理由です。

  

タバタトレーニングの実践

実際のタバタトレーニングを実践するためには、ウォームアップとクールダウンを念入りに行ってください。タバタトレーニングが4分で疲労困憊になる強度で行うため、ケガをしないようにです。

そして、実際に行うトレーニングは下のようなものです。

1つのトレーニングを選んで、20秒全力で行い、10秒休むを8セット繰り返し行ってください。

まず、バーピージャンプとスクワットジャンプのどちらかで、間違いなく疲労困憊になれます。

  

タバタトレーニングの効果をより上げるために

タバタトレーニングだけで、有酸素性運動機能と、無酸素性運動機能の両方鍛えられますが、さらに無酸素性運動機能を上げることができるといいます。

それは、タバタトレーニングと筋トレを併用することです。

タバタトレーニングを週3回、筋トレを週3回行う実験をした際に、無酸素性エネルギー供給機構の評価指標である最大酸素借が筋トレにより、さらに増加していたといいます。

つまり、1日おきにタバタトレーニングと筋トレを行えばよいということです。

  

まとめ

いかがでしょうか?

1日4分、週3回で、驚きの効果ですよね。

やらない理由が見つかりません。ただ、やっているときは死にそうなくらいつらいくらいです。

4分という時間なら作れそうですよね。(ウォームアップの時間が必要ですが)

例えば、在宅で仕事している際に煮詰まってきたと思ったら、気分転換にタバタトレーニングをすればいいのです。

例えば、在宅で会議参加中にストレッチして、会議終了と同時にバーピージャンプ開始。4分後に疲労困憊でぐったりしても、その3分後にシャワーをさっと浴びれば、10分後に脳もすっきりして仕事に戻れます。

私は、これは仕事の効率も上げ、体も鍛えられる最高の時間の使い方と思っています。

ぜひ試してみてください。

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