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スマホにアイデアが思いつく場所を奪われている「思考の整理学」【要約】

2022年4月11日

こんにちわ!じまろーです。

知識欲が人並みにあるわたしですが、なかなかその知識の定着が進まない今日この頃。

頭の中がごちゃごちゃしていて、どうにか頭の中を整理したい!と思い、何かいい方法はないかと考えていたところに出会った本がこの本です。

思考の整理学(1986年 第1刷)
外山滋比古著

本書は、東大・京大 この10年(2012年~2021年文庫ランキング)で1番読まれた本だそうです。刊行から36年経っていますが、今でも愛される一冊です。

本書は、エッセイ形式で書かれていて、知識を定着させる方法、考えが思いつく方法、頭を整理する方法など、それぞれ「ふむふむ、なるほど」とうならされることばかりです。

本書の根底に流れる考えは、「あせっては何も生まれない」という時間との付き合い方になるのかと思っています。

この記事は、下のような人に向けて書いています。

こんな方におすすめ

  • 頭の中がごちゃごちゃしていて、集中できません。
  • 本書の内容をかいつまんで知りたい。
  • どうやったら思考を整理できるのですか?

  

本書を大きく3つに分けてみる。

本書の内容を大きく3つに分けてみると、下のようになるかと思っています。

  • すぐれた考えを思いつく。
  • 知識を集める。
  • 思考を整理する

それぞれを、以下で説明します。

  

すぐれた考えが思いつく

すぐれた考えが思いつく場所、思いつくのによい時間があります。

すぐれた考えが思いつく場所

それは「三上」です。

三上とは

その昔、中国の欧陽修という人が、すぐれた考えが浮かぶ場所として「馬上」「枕上」「厠上」の3つをあげた。これが三上。

  • 馬上:乗り物の上となり、現代では電車や車などの移動中
  • 枕上:寝床で横になっている状態。本書では、朝起きて布団から出るまでの状態と言っています。
  • 厠上:トイレの中

なぜ、この三上がよいかというのは、下のような理由からです。

  • いくらか拘束されている状態
  • 他のことをしようにもできない状態
  • 今していることが、特に心を煩わすほどのこともなく、心は遊んでいる状態。

移動中やトイレで、なにかよいアイデアが思いついたという経験は、わたしもありますね。

ここでの問題点は、三上が「他のことをしようにもできない状態」であるから、よい考えが思いつくとありますが、この現代では、馬上でも枕上でも厠上でも、スマホでなんでもできてしまいます。そして、私もトイレにスマホを持ち込んでますね。

これが、わたしの頭のごちゃごちゃの原因のひとつだと気づきましたね。

  

すぐれた考えが思いつく時間

これは、朝です。寝ている間に頭の中がすっきり整理されていて、朝は考えるのに適した脳の状態となっているんです。

さらに「朝飯前」に仕事を終わらせるのが一番よいということです。

それを実行するために「朝飯を抜けばいい」と言われていますね。昨今の半日断食ブームを36年も前に実践されていたんです。

朝食抜きで、朝に仕事。これは、説得力ありまくりですね。

  

すぐれた考えは寝かせることで生まれる。

ここで言いたいことは、すぐれたアイデアが思いつく場所は、机の前や研究室のようなところではなく、また時間も根詰めて夜通し考え続けた末に生まれるようなものではないということです。

アイデアを生むためには、その問題ばかり考えすぎず、ある程度問題を寝かせて、心を遊ばせることが必要といっているんですね。

そして、寝かせることで、それらは化学反応と起こし発酵します。おいしいアルコールを作るには、時間が必要なのです。

  

知識を集める

知識を集めるときに気を付けることは、下のように書かれています。

何かを調べるときは、まず何を何のために調べるかを明確にしてから情報収集にかかる。気が急いていて、とにかく本を読んでみようということでとりかかると、せっかく得られた知識も役に立たない。何かを調べようと思っている人は、どうも欲張りになる。大が小を兼ねるとばかり、なんでも自分のものにする傾向がある。

本書で紹介されている知識の収集法の中から、本記事では下の3つを紹介します。

  

スクラップのすすめ

本や新聞を読んでいて、これは!と思う記事にぶつかる。あとでメモするか、切り抜いておこう、と思いながら他の記事に目を移すと、しばしばその「あとで」がやってこない羽目になる。その記事がどこに書いてあったかも探しても見つからず、時間も読み直したい記事も失ってしまうということが多々ある。

いや~、たしかにあります。あれ、どこに書いてあったっけ?って何度も本を探すのってよくありますね。

これは!と思ったら、そのときに保存する。これが大事です。

今では、スクラップよりもスマホの写真や、コピーなどで簡単に代用できます。

ただし、なんでもおもしろそうなものを片っ端から取り入れていると、雑然たる断片的知識の山ができてしまい、調べる前よりもかえって頭が混乱してくる場合があるので注意です。

  

つんどく読書法

閲覧文献を複数集め、これを片っ端から読んでいく読書法。全て一気に読み、読み終えたら、できるだけ早めに、内容を忘れないうちにまとめます。

そして大事なのは、「まとめ終えたら、忘れてよし」ということです。いつまでも覚えていることは、次のつんどく勉強の邪魔になります。しかし、忘れようと思っても、忘れられないこともあります。それはその人の深部の興味、関心とつながっていることなのです。つまり、勝手にからだが忘れたくないことを選択してくれるということですね。

この読書法は、同じ関連文献を一気に読むので、内容が重複している部分も多く、本を読む時間が短くできるメリットがあります。

  

メモをとる

何かを思いついたときは、さほどでもないと思っても、あとあとどんなに素晴らしくなるかしれません。頭の片隅においておこうと思っても、完全に忘れてしまうか、寝かせておけずに、毎日その思いつきをつついてしまうかのどちらかとなり、意味がありません。

その解決法は、メモなんですね。

  

思考を整理する

思考の整理については、人間の頭の中を工場に例えて、下のように説明されています。

工場にやたらなものが入っていては、作業能率が悪い。余計なものを処分して広々としたスペースをとる必要がある。それは「忘れる」ということ。

思考の整理とは、その人のもっている関心、興味、価値観によって頭の中をふるいにかけ、不要な知識を捨てる作業

価値のものさしが、はっきりしないで整理すれば、大切なものを捨て、どうでもいいものを残す愚を繰り返すことになる。

自分の中で不要なものを取捨する能力を養い、そして正しく不要なものを忘れたときに、頭は整理完了となるのです。

そして、頭のスペースが確保されたとき、新しいアイデアはそのスペースに降りてくるのだと思います。

  

上手な忘れ方

忘れる方法としては、下のようなことがあります。

  • 汗をかく
  • 場所を変える
  • リフレッシュする
  • 散歩する。

一般的に考えられている気分転換法ですね。

そして、自然の忘却法として、極めて重要であるのは、「睡眠」です。

やはり、睡眠は大事ですね~。

  

まとめ

いかがでしょうか?

今まで、通勤時間や、トイレ、食事中でもスマホ片手に知識を詰め込んでいたのですが、本書では、わたしのやっていたことは、全くの逆のことでした。

だらだらしてしまった30代を取り戻すべく、日々勉強しようという思いが空回りしている状態だったんです。

本書で、わたしが今後実践するべきと感じた気づきは下の3つです。

本書での気づき

  • あせっては何も生まれない。得る知識も取捨選択して、なんでもかんでも詰め込まない。
  • 退屈をスマホで埋めない。移動中、トイレなどの時間にスマホ使用はほどほどに。ぼーっと心を遊ばせてみる。
  • 忘れることを恐れない。っていうか、進んで不要なことを忘れていく。それでも自分の頭に残ったことの知識を広げる。
  • 自分の価値観を育てる。いつも新しいことに興味、好奇心をもって自分の関心を広げる。

特に、スマホとの付き合い方が、ここ最近の私の頭のごちゃごちゃを生んでいたと気づきましたね。

  

本書は、エッセイ形式で書かれていて、200ページちょっとで量も適量。しかし、内容は充実。ということで、ぜひ、手に取って読まれることをおすすめします。

 

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