鮭(サケ)の栄養価まとめ。鮭の産地、種類、安全性も分かりやすく解説。

2022年11月11日

こんにちわ!じまろーです。

鮭が日本の川に戻ってくる季節です。休みなしで川を遡っていく姿は感動すらします。その力がどこから湧いてくるのか不思議だったのですが、鮭がもつ栄養素を見てみると納得できます。その栄養素をいただくことで、私たちも鮭のような力を手にすることができるという話をしたいです。

また、魚を食べるときに気になることは下の3点だと思います。

  • どんな栄養素が含まれているか
  • 天然、養殖の違いはどういったものか
  • 水銀や抗生物質など、安全性は問題ないか

鮭といっても、紅鮭、銀鮭、秋鮭など種類があり、チリ産、ノルウェー産、日本産と産地もいろいろあります。チリ産の鮭はあまり食べない方がいいという話もよく聞きますが、はたして本当にそうなのでしょうか。

  

この記事は、下のような人に向けて書いています。

こんな方におすすめ

  • 鮭の種類による違いを知りたい。
  • 養殖と天然の鮭の違いが気になる。
  • 海外産の鮭の安全性は問題ない?

  

鮭の種類

まずは、鮭と一言でいっても種類があります。簡単に日本でよく見かける鮭の種類をまとめてみました。

名前主な生産地特徴
白鮭(秋鮭)北海道・日本海側の県体長:70cm~1mほど。秋に産卵のために川に帰ってくるものを秋鮭や秋味という。脂乗りは控えめでさっぱりした味わい。
紅鮭ロシア・アラスカ産体長:50~70cmほど。アラスカ・ロシアにしか生息しない。その名の通り身が鮮やかな赤色。しっかりした味で旨味が強い。
銀鮭チリ産・宮城県産(養殖)体長:85cmほど。日本には回遊しない。脂乗りがよく旨味のある味わい。
アトランティックサーモンノルウェー産(養殖)体長:1.4mほど大型。太平洋さけとも呼ばれる。脂が多く生食も可。
キングサーモンアメリカ産・カナダ産体長:1.5mほど大型。脂が多く生食も可。

よくスーパーで並んでいるものは、白鮭(秋鮭)、紅鮭、銀鮭、アトランティックサーモンの4種類ではないでしょうか。

  

鮭に含まれる主な栄養素

鮭に多く含まれる代表的な栄養素は下のようなものがあります。

鮭に多く含まれる代表的な栄養素

  • アスタキサンチン
  • オメガ3(DHA・EPA)
  • ビタミンD
  • ビタミンB群
  • タンパク質
  • マグネシウム
  • セレン

良質な脂質(オメガ3)やビタミンだけでなくミネラルまでも含んでいます。最強の食べ物です。

「アスタキサンチン」以外の栄養素は、ご存じの大変体にいい栄養素であることはご存じと思いますので、アスタキサンチンだけ簡単に説明します。

    

アスタキサンチン

アスタキサンチンは、天然の色素成分カロテノイドの一種で、鮭の身が赤いのはこのアスタキサンチンによるものです。アスタキサンチンの健康効果はすさまじく「スーパー・アンチエイジング・フード」と呼ばれています。

このアスタキサンチンのおかげで、鮭は少しくらいの滝なら上ってしまう力を得ています。ずっと海で暮らしてきた鮭が、川の遡上中には多くの紫外線を浴び続けます。その際、体内に有害な活性酸素が多くできてしまうのですが、その活性酸素を無毒化するのもアスタキサンチンなのです。そして最後には、卵(イクラ)にそのパワーを引き継ぎ息絶えるんですね。イクラはアスタキサンチンのオレンジバリアを張ることで、浅瀬で太陽を浴びながらも卵のDNAが破壊されずに守られるのです。

アスタキサンチンの主な働き

  • 強力な抗酸化作用
  • 抗炎症作用
  • 抗ガン作用、免疫強化
  • 眼精疲労の予防
  • 動脈硬化の抑制
  • 皮膚保護作用(メラニン生成抑制/シワ形成抑制)
  • 高血圧の改善や抗肥満作用
  • 高血糖や高脂血症の抑制

この中でも抗酸化作用の力は、目を見張るものがあります。抗酸化栄養素として名高い下の栄養素と比較するとすごさがわかります。

  • ビタミンEの約110倍
  • カテキンの約560倍
  • コエンザイムQ10の約800倍
  • ビタミンCの約6000倍

また皮膚の保護作用もすばらしく、シミの消去能力があり、「飲む日焼け止め」とも言われています。

積極的に摂っていきたい栄養素ですよね。

アスタキサンチンの効果については、この記事だけでは説明できないくらいです。もっと詳しく知りたい方は下の本をどうぞ。

  

鮭の種類によるアスタキサンチン量の違い

このすばらしい栄養素アスタキサンチンですが、鮭の種類によって含有量が少し違ってきます。

種類100gあたりのアスタキサンチン量
白鮭(秋鮭)0.3~0.8 mg
紅鮭2.5~3.5 mg
銀鮭0.8~2.0 mg
アトランティックサーモン0.3~0.8 mg
キングサーモン1.0~2.0 mg

紅鮭が優秀なのが分かりますね。下の写真を見てください。紅鮭は赤さが際立っています。それがアスタキサンチンの量を表しているのです。

アスタキサンチンを摂るなら、紅鮭ですね。

  

鮭の食べ方

こんな完璧な鮭の栄養価を最大限に享受するには、それに最適な食べ方があるとのことです。

  • アスタキサンチンの摂取はレモンや大根おろしと一緒に食べるとより抗酸化作用がUPする。
  • 人参やトマトに含まれる、β-カロテン、ルテイン、リコピンなどは、アスタキサンチンの吸収を抑えてしまう可能性がある。
  • オメガ3が劣化するので、できるだけ新鮮なうちに食べる。
  • アスタキサンチン、ビタミンD、ビタミンB群も脂溶性のものが多く脂質と一緒に摂取する。

鮭と、人参・トマトが合わないというのは驚きですが、これに合う料理はずばり「サーモンとレモンのホイル焼き」ですね。

  

天然と養殖の違い

養殖と天然の違いについては、鮭の種類に関係します。

現在のところ、紅鮭と白鮭の養殖は、難しいとされています。つまり紅鮭と白鮭は自動的に天然しかないとなります。

  • 養殖可能:銀鮭、アトランティックサーモン、キングサーモン
  • 養殖不可:紅鮭、白鮭

栄養価の違いを天然と養殖で比較することが難しいということになります。

  

鮭の安全性

水銀について

大型に分類される鮭にとって、気になるのは含まれる重金属、特に水銀です。

実際、2005年に厚生労働省は、魚を食べることにより摂取される微量のメチル水銀が胎児に影響を与える可能性があるとして、妊婦を対象とした魚介類摂取に関する「注意事項」を公表しています。

下の表が、厚生労働省が調査した「魚介類に含まれる水銀の調査結果(まとめ)」より、家庭でよく食べると思われる魚を選んで水銀量をまとめたものです。

魚介類総水銀(μg/g)
クロマグロ0.723
カツオ0.154
ブリ0.153
カンパチ0.121
マダイ0.116
サバ0.104
ハマチ0.098
サワラ0.035
サケ0.027
イワシ0.018

イワシには及びませんが、かなり少ない部類となっています。もともと小型の魚であるイワシは水銀量が少ないことで知られているため、サケはそれに匹敵するくらい少なくなっています。

他の魚よりも食べる頻度が高い鮭ですので、水銀量が少ないことはいいですね。

  

養殖鮭への抗生物質使用

チリ産・ノルウェー産の養殖

養殖の鮭については、抗生物質の使用についてが心配されるところですね。2018年のOCEANAの記事となりますが、チリ産の養殖鮭には大量の抗生物質が使用されていると言われています。

種類抗生物質使用量
チリ産の養殖鮭1トンあたり950g
ノルウェー産の養殖鮭1トンあたり0.17g
世界の養豚1トンあたり172g

多くの抗生物質が使われていると言われている養豚でも172gであるので、チリ産サーモンの使用量がずば抜けていることがよく分かります。また本OCEANA記事では、チリ産の鮭は円形の網の中で大量に飼育され、抗生物質だけでなく、消毒用の化学物質や鮭の糞尿で飼育環境はひどいものだと、なかなかの書かれっぷりです。

それと比べると、ノルウェー産の養殖鮭は、微量です。

  

日本の養殖鮭

それでは、日本の養殖鮭はどうなのでしょうか。はっきりした記事などは見つけることはできませんでした。

下のブランド鮭は、抗生物質不使用を名言されており、厚生物質不使用の鮭を選ぶことができます。

  

まとめ

いかがでしょうか?

栄養価は、もうこれだけ食べてたらいい!って言えるくらいパーフェクトです。

安全性は水銀は問題なし。抗生物質については、家で食べるものくらいは天然か、日本、ノルウェーの養殖を選んでみてもよいかと思います。

神の栄養素、アスタキサンチンを多く摂りたいなら、紅鮭で「サーモンとレモンのホイル焼き」でいかがでしょう。

単純に焼き鮭に大根おろしでもOKです。

鮭のすごさ分かってもらえたらうれしいです。

  

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