メンタル 読書・本要約

子育てがストレスじゃなく楽しくなる「自分でできる子に育つ ほめ方 𠮟り方」【要約】

2021年8月29日

こんにちわ!じまろーです。

わたしには、7歳の娘がおりまして、子育て奮闘中なのですが、わたしが男兄弟だったせいか、女の子の取り扱いが全くわかりません。

娘の口が達者になってきたのもありますが、いちいちイラっときて反射的に大声で怒鳴ってしまい、そのあと人知れず後悔する、ということがよくあります。

子育ては本当に難しいですね。

子育てをストレスに感じていたら、それを子供が感じ取ってしまって、窮屈な家庭になってしまうと思うのです。

また、自分にとっても、仕事も家庭でもストレスを感じてしまうと、ストレスリリーフできる場所がなくなってしまいます。

これは、どうにかして子育てをもっと上手にしないと。と考えていたのです。

そんなときに読んだ本がこちらです。

自分でできる子に育つ「ほめ方」「叱り方」
島村華子著

本書は、モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者で、オックスフォード大学で児童発達学の修士、博士号を取得された著者が、「ほめ方」と「叱り方」に焦点をあてて書かれた本です。

今日からできる「声かけ」でイライラが笑顔に変わる!と表紙にあるとおり、即実践できる内容となっています。

この内容をさらに短い時間で理解できる内容にまとめさせていただきました。

  

この本は、下のような思いをお持ちの方におすすめです。

こんな方におすすめ

  • 小さい子供がいて、子育ての難しさを感じている。
  • 自分の子育てが正しいか自信がない。
  • 子供が言うことを聞いてくれない。
  • 叱り方が分からない。

  

  

「無条件子育て」のすすめ

まずは、無条件子育てを理解するといいです。無条件子育ての反対の条件付き子育てとの違いは下のとおりです。

条件付き子育て

条件付き子育て

子どもの行動の善し悪しによって、褒美や罰を使いながら愛情の注ぎ加減を調整し、行動をコントロールしようとする。

条件付き子育てには、4つのデメリットがあります。

  1. 短期的には親の言うことをよく聞くようになるが、一時的に親にとって都合のいい子になるだけで、親の望むようにふるまわなければ愛してくれないという恐怖心やプレッシャーを持つようになる。
  2. 褒められた時にしか、自己肯定感が生まれないようになる。
  3. 条件付きの子育ては、子どもは親から拒絶されたと感じることが多く、親子関係が悪化することがある。
  4. 自分が親からされたことは、自分の子どもにも同じ手法を取ってしまう場合がおおく、世代を超えて引き継がれる。

 

無条件子育て

無条件子育て

子どもの行動の善し悪しにかかわらず愛情を注ぎ、子どもの気持ちに寄り添う。

無条件子育てをするための5つの条件があります。

これは、耳が痛いことばかりです。小さいお子さんをお持ちの方は、ぜひ心して読んでください。

1.ほめ方と𠮟り方に気を付ける

大切なのは、子どもの行動を親が思うようにコントロールするために、ほめたり、叱ったりしないようにすることです。

これについては、後で詳細にほめ方、叱り方を具体的に紹介しています。

  

2.「子どもに対するイメージ(見方)」を見直す

子どもは一人では何もできない

   ↓

子どもには、一人でできる力がある。

子どもを信頼し、一人できる環境を準備して自立をサポートできるようになります。

子どもは言うことを聞くべき存在だ

   ↓

子どもも大人と同じように権利をもった尊い存在だ

子どもの意見にもっと耳を傾け、行動の裏にある理由や気持ちにまで注意を払えるようになります。

ポイント

自分の興味を探求して、欲求を自身の言動で伝えるのが子どもの仕事です。

実際には本来の成長段階になった行動をとっているだけなのに、多くの人々が無意識に求めているのは、大人に「迷惑」をかけない子どもでいることなのです。

「自立した大人になってほしいけど、子どものうちは受け身で従順な子どもでいてほしい」というのは、大きく矛盾しています。

いやぁ、耳がとってもとっても痛いです。

 

3.子どもにとって良きリーダーでいる

良きリーダーとは

良きリーダーは、子どもの自立したい気持ちを尊重し応援しながらも、自由に伴う責任の大切さも提示する。また、子どもを頭ごなしに批判したり、子どもの意見を一蹴したりせずに、話し合いをもとに解決策を見つけ出します。

子どもが必要としているのは、大人がどっしりと受け入れてくれるという安心感です。

う~ん、頑張ろう。

  

4.子どもへの要求を考え直してみる

無理な要求を押し付けないことが重要とのことです。

「早くしないさい!」「泣かない!」などは、大人の都合で発せられていないか、子どもに本当に必要なメッセージなのかを考えてみて下さい、とのことです。

  

5.子育ての長期的なゴールをもつ

将来、自分の子どもにどういう人間になってもらいたいか。自分の接し方が、子育ての長期的なゴールの妨げになっていないかを一度考えてみる必要があると書かれています。

困難に立ち向かえる忍耐力をある人になってほしいのに、失敗しないように過保護になって子どもの障害を不必要に取り除いてないですか?

自分の力で考える人になってほしいのに、子どもの意見を頭ごなしに否定していませんか?

  

自分でできる子に育つ「ほめ方」

いよいよ、ほめ方の紹介です。

ほめ方には、3種類あります。

1.おざなりほめ

具体性にかける、中身のない表面的なほめかた。「すごいね」「上手」など。

2.人中心ほめ

性格・能力・外見などの表面上の特徴を褒める。「優しいね」「頭がいいね」「かわいいね」

3.プロセスほめ

努力・過程・試行錯誤した手順を中心に褒める。「がんばって最後までやりきったね」「あきらめなかったね」「いろろんな方法を試したね」

この中で、NGなほめ方は、「おざなりほめ」と「人中心ほめ」です。

この2つのほめ方には、4つの問題があります。

  • 褒められないと自信が持てない「ほめれら依存症」になる。
  • 褒められるためだけの行動をするようになり、行動自体に興味を失う
  • 自分のイメージを崩したくないと、チャレンジ精神が低下する
  • 頑張らなくても褒めてくれるので、モチベーションが低下する

ってことです。「じょうず~」なんて、多用していたのでショックです。確かによく考えずに「上手」と言っておけばいい、なんて考えもあったと思いますね。反省です。

  

プロセスほめ

プロセスほめのポイントが紹介されています。

ポイント

  • 成果よりも、プロセス(努力・姿勢・やり方)をほめる
  • 具体的にほめる
    具体的なフィードバックが、次のモチベーションにもつながる。
  • 質問する
    大切なのは、子ども自身がどう感じたか?親がどう思うかは重要ではない。「どういうものをつくったか教えてくれる?」など会話がキャッチボールできるような自由回答式の質問。
  • むやみやたらにコメントしない
    子どもが求めているのは評価ではなく、達成したときの興奮、驚き、喜びの共有。⇒自分の居場所があるという感覚が生まれる。

では、ほめ方例を紹介します。

友達に優しくできたとき

 優しい子だね(おざなり・人中心)

 お友達が元気が出るように笑わせてくれたんだね(プロセスほめ)

パパの似顔絵を描いたとき

 わぁ、上手~(おざなり・人中心)

 ひげと髪の感じがよく似ているね(プロセスほめ)

  

自分でできる子に育つ「叱り方」

そして、ついにわたしが、一番気になる叱り方です。

ついつい大声を上げてしまったり、お菓子抜きなどの罰を与えてしまう方も多いのではないでしょうか?

罰を与える叱り方がNGな理由は4つあります。

  1. より攻撃的、反発的な態度を生み出す。
    罰を受けている子どもは逃げ場がなく、自分の力ではどうすることもできません。さらに自分に罰を与える相手に対して怒りを覚えます。その結果、罰は子どもの攻撃的な行動を誘発し、親がさらに罰を与えることを繰り返すという負の連鎖に陥りやすくなります。
  2. 力を使った問題解決方法が正当化される。
    自分が親になったときにも同様に力を使った問題解決方法を使うようになる。
  3. 親子関係にひびが入る。
    罰を与えると、子どもにとって親が自分の味方だと感じるのが難しくなる。
  4. 罰を与えても反省を促さない。
    話し合いや説明なしに一方的に罰を与えられたとしても、子どもにとってはいわゆる「問題行為」と「罰」の間の関係性が明確でないため、反省を促さない。

  

上手な叱り方の4つのポイント

子育てにおいて、上手に叱るというのは、上手にほめることよりも難しいことです。

1・「だめ」「違う」をできるだけ使わない

これを使わずに何を使うの?と思いますよね。

それは、「そうだったんだね」「わかるよ」です。

例は、下のような感じです。

タンスから洋服を引っ張り出した

 ダメダメ、何しているの!

 おっ、洋服を引っ張り出したかったんだね。このお洋服はタンスにしまうから、終わったら片付けようね。

2.結果ではなく努力やプロセスに目を向ける

褒める編に続き、叱る編でも「プロセス」にめを向けるのは大切です。

ここで大事なのは、「具体的なフィードバック」です。子どもは能力ややり方を否定されると、自分には力が足りないからどうせ無理だと無力感を覚えるようになるそうです。

例は、下のような感じです。

テストの点数が悪かった

 40点しかとれないなんて、ひどいわね。頭が悪い!

 40点だったのね。自分の目標には届かなかったみたいだね。次はどういうやり方をしたらもっとできるようになるかな?

3.好ましくない行動の理由を説明する

自分がとった行動が、子ども自身あるいは他者にいかに影響を与えるかというモラル(道徳)に焦点を置いて、具体的に説明することが必要です。

例は、下のような感じです。

子供がスーパーで走り出した

 危ない!走ったらだめだよ!

 走るとぶつかったりして、あなただけじゃなく、他の人が、けがをするかもしれないから、ここは一緒に歩こうね。

4.親の気持ちを正直に伝える

相手を批判したり、否定したりせずに、私自身の気持ちを中心にコミニケーションをとります。

これを、本書では「わたしメッセージ」と呼んでいます。

下の手順で進めると、正しい「わたしメッセージ」の完成です。

わたしメッセージのつくり方

  1. 行動
    非難や否定の言葉を使わずに、子どもの行動を客観的に描写
  2. 感情
    正直に親、あるいは関わった人がどう感じたかを伝える。
  3. 影響
    なぜ、その行動に問題があるのかを、親、あるいは関わった人に与える影響を例に説明する。
  4. 提案
    次はどうしたら同じことを回避できるかについて解決策を話し合う。

例は、下のような感じです。

学校に行く準備をしない

1.行動

 いつまでだらだらしてるの!さっさと用意して!

 着替えと、時間割ができていないんだね。

2.感情

 イライラするなぁ!

 授業に遅れると困るから、パパ悲しい気持ちになるよ。

3.影響

 パパが、仕事に間に合わなくなるよ!

 授業に間に合わないと、先生やお友達が心配するよ。
  パパも仕事に遅れずに行けるからうれしいな。

4.提案

 早くしないと、今日はテレビ見せないよ。

 どうやったらもう少し早く準備ができるようになるか一緒に考えてみよう。

例なので、いろいろ自分で、行動→感情→影響→提案の叱るときの例を事前に作ってみて、そのまま試してみるのがいいと思います。

  

  

子どもがのびのび育つアクティブリスニング(傾聴)

これまで、紹介してきた「ほめ方」「叱り方」でも、大事なのは子どもの話を聞くことです。

子どもに100%注意を傾けて聞く。これが大事です。

実際に、わたしが実践したところでも、このアクティブ・リスニングがかなり即効性がありました!

「アクティブ・リスニング」の一番のメリットは、「自分の話を批判されず、理解してもらえている」という安心感をもたせられるため、言い訳をしたり、駆け引きをしたりすることなく、子どもが自分自身を振り返り、自ら解決策を考える機会をもてることです。

それでは、アクティブ・リスニングの方法を紹介します。

アクティブ・リスニング(傾聴)の4つのポイント

ボディランゲージ(表情・アイコンタクト・姿勢)

  • 相手の正面に座る。
  • 足を組んだりしない。
  • 相手に身体を傾ける。
  • 相手と目を合わせる。
  • ソワソワせずに落ち着く。

無条件の受容精神(興味・態度・信頼・分離)

子どもの話に心から興味をもつことです。

  • たとえ、ささいなことでも子どもの気持ちをむげにしない。
  • 子どもが自分で問題解決できると信じる。
  • 子どもは自分の所有物でなないと、理解する。

反映力(反復・言い換え・明確化・要約)

反映力とは、話し手の気持ちや問題を反復・要約しながら、いかに相手の話を同じ温度で理解してあげているかを確認するプロセスです。

  

コミニュケーションのバリケードに気を付ける

下のことをしがちですが、我慢します。

  • ジャッジしない。
  • 解決してあげようとしない。
  • 正論攻めしない。

実際のアクティブリスニングの例が下のようなものです。

落ち込んでいる子どもとの会話

だめな例

子:チカちゃんが今日遊んでくれなかった

親:明日もう一回、一緒に遊ぼうって言ってみたら?言葉で言わないとわからないよ。(アドバイス)

子:でも、チカちゃんと遊ぶのいやだ。

親:そんなことでいちいち、いやだと思っても仕方ないよ(ジャッジ)。きっと疲れてるだけだから、明日になったらそんなふうに思わないから大丈夫だよ(話をそらす)

子:幼稚園行きたくない!

 

アクティブリスニングの

子:チカちゃんが今日遊んでくれなかった。

親:チカちゃんと一緒に遊べなかったんだね(反復)。

  がっかりした気持ちになっちゃったのかな(明確化)。

子:そう。もう一緒に遊びたくない!もう友達じゃない!

親:そっか。チカちゃんとお友達でいたくないって感じているんだね(言い換え)

子:でも、チカちゃんこの前「一緒におままごとしよう」って言ってた。

親:そっか。こないだチカちゃんが「一緒におままごとしよう」って誘ってくれたんだね(反復)

子:うん。チカちゃんおままごと好きなの。でも、いつもチカちゃんがお母さん役で、私はお母さんになれないの。

親:なるほど。いつもチカちゃんだけしかお母さん役になれないのか(言い換え)チカちゃんと遊んでいるときに、お母さんの役をやっていたいんだね(要約)

子:たまに私もお母さんになれるけどね。チカちゃん優しいときもあるの。

親:そっか。そういうときのチカちゃんと一緒にいると楽しいかな?(明確化)

子:うん。明日「私がお母さん役やりたい」って言ってみようかな。

もちろん、現実はこんなにシンプルにすすまないと思いますが、アクティブリスニングを実践することで、子どもが何を思っているのかを聞き出せる可能性が大きく上がります。

  

まとめ

いかがでしょうか?

まずは、「わたしメッセージ」と「アクティブリスニング」です。

これを1回、だまされたと思ってやってみてください。

わたしは、とくにアクティブリスニングの効果を実感しています!

  

本書では、ここで紹介したほかにも、数多くほめ方例と叱り方例が紹介されており、大変参考になります。

わたしは、書かれている例を、そのままそっくり使ったりしていますね。

興味をある方は、ぜひお手に取って読んでみてください。

  

  

-メンタル, 読書・本要約