こんにちは!じまろーです。
食品の栄養素について調べていると「アミノ酸スコア100」という言葉に出合います。
アミノ酸スコア100点ってすごいってなんとなく思うのですが、実際どのくらいのものなのか?
どうやって計算するものなのか、調べてみました。
アミノ酸スコアとは?
アミノ酸スコアとは、食品のアミノ酸バランスを評価する指針となっていて、ヒトのからだに必要な摂取量から算出し、9種類の必須アミノ酸の中で一番点数の低い必須アミノ酸スコアを、その食品のアミノ酸スコアとしたものです。
必須アミノ酸とは?
必須アミノ酸とは、ヒトのからだで合成されない必ず食物から補給しなければならないアミノ酸のことで9種類あり、それぞれの働きは下の通りです。
- イソロイシン:成長促進・神経機能補助・血管拡張・肝機能向上
- ロイシン:肝機能向上・血糖コントロール・タンパク質生合成の促進
- リシン:身体組織修復・成長に関与・肝機能の向上
- メチオニン:たんぱく質を作るときに最初に必要な必須アミノ酸・肝機能の改善
- フェニルアラニン:血圧の上昇・鎮痛作用・ドーパミン/ノルアドレナリンの材料
- トレオニン:成長促進・脂肪肝の抑制
- トリプトファン:セロトニンやメラトニンの材料・コレステロールのコントロール
- バリン:成長に関与・血液中の窒素バランスの調整・肝機能向上
- ヒスチジン:成長に関与・ヘモグロビン、白血球の産生に関与
アミノ酸スコアの計算式(精白米)
前の記事でも魚のアミノ酸スコアを計算しましたが、魚だけ食べて食事とならないし、不足分を補う形で食事できたら、アミノ酸スコアがいい食品ばかり選ばなくてもいいよねってことで、日本の食事のアミノ酸スコアを調べてみたいと思ったわけです。
アミノ酸スコアの計算式は下のとおり。
ヒトのタンパク質所要量とアミノ酸必要量の研究を基礎として設定したパターンを使います。
下の表で使用した評点パターンは、厚生労働省作成の日本人の食事摂取基準(2015年)総論 たんぱく質 を参照しています。
まずは、日本人の主食のコメ(精白米)で計算してみます。
ごはんお茶碗一杯分を150gとすると、お茶碗一杯分に含まれるたんぱく質とアミノ酸量は上の表のようになります。
上の式の「食品たんぱく質の第一制限アミノ酸含有量(mg/g:たんぱく質)」は、第一制限アミノ酸(一番スコアの低いアミノ酸)がまだわからないので、それぞれで計算します。
精白米のイソロイシンで計算すると、
イソロイシン量(140mg)÷ たんぱく質量(3.8g)= 36.84 mg/g です。
この値を各アミノ酸の評定パターンで割ったものに100を掛けるわけです。
つまり、36.84 ÷ 30(評定パターン)× 100 = 122.8
これを各アミノ酸で計算したのが下の表です。
上の結果より、リシンのスコアが一番低いことが分かるので、第一制限アミノ酸が「リシン」となり、精白米のアミノ酸スコアが、リシンのスコアである「70.2」となるわけです。
リシンが他のアミノ酸量の足を引っ張っている形となっているわけです。
アミノ酸スコアの計算例(精白米+納豆)
しかし、これはあくまでお茶碗一杯のごはんだけの結果となっているため、食事全体を通してのバランスを考慮する必要があります。
多くの国で伝統的に食べられる食品の組み合わせで、欠けたアミノ酸を補っていることが確認されています。
それが日本でいう米と豆の組み合わせ、つまり「ごはんと納豆」というものです。
上の精白米の表に納豆を加えてみましょう。納豆ひとパック40gです。
上の表から分かる通り、精白米のアミノ酸スコアはリシンの「70.2」です。納豆のアミノ酸スコアは、メチオニンの「68.9」。それを組み合わせると、アミノ酸スコア(TOTAL)欄の「83.9」とスコアが跳ね上がるわけです。
おもしろいですよね。
さらに、厚生労働省より日本人の食事摂取基準(2020年版)なるものがが設定されています。
アミノ酸の推定平均必要量は、たんぱく質必要量(g/kg 体重/日)に対するアミノ酸必要量(mg/kg 体重/日)で求めれれます。
体重60kgの私で計算すると、お茶碗一杯のごはんと納豆だけを3食たべるだけで、必要量のほとんどがクリアできる結果となっています。
ひとつメチオニンだけクリアならずですが、3食のうち1食でも焼きサバの半身を追加するだけでクリアできる値です。
まとめ
ここまでの結果から言えることは、
ということだと思われます。
日本の昔から食べられている食事ってやっぱりすごいですね。