こんにちわ!じまろーです。
世界的な投資家であるウォーレン・バフェット。今回、紹介するのは、彼の投資術をわかりやすくマンガで紹介されているこの本です。
マンガでわかる バフェットの投資術
総監修:濱本昭
ウォーレン・バフェット
アメリカ合衆国ネブラスカ州在住の投資家。1930年生まれ。世界最大の投資持株会社「バークシャー・ハサウェイ」の筆頭株主。株式投資において市場最も成功し、2021年時点で総資産1000億ドルを所有する世界有数の富豪。
小さいときから数字や勝負事が好きで、若干11歳のときにチューインガムやコカ・コーラの訪問販売で、現在価値で22万円程度の貯金があったという。
30分程度で読めますが、大事なことだけギュっ!と入ってて、ウォーレン・バフェットを短時間で知るという目的にフィットする本です。
大変いい本ですので、是非手に取って読まれることをおすすめします!
この記事は、下のような方に向けて書いています。
こんな方におすすめ
- バフェットの投資術、興味あります。
- バリュー投資って難しいでしょ?
- どうやって、投資する銘柄を選べばいいのか分からないです。
もくじ[表示]
投資で失敗しないための3つの教訓

バフェットは、11歳のときにはじめて姉のお金で株式を売買したのですが、最初株価が下がり、戻ってきたところで少しの利益で売ってしまいました。
そのときに学んだことを今でも教訓として心に刻んでいるそうです。
失敗しなための3つの教訓
- 買ったときの株価にこだわらない
▶買った価格にこだわると、少し下げると売りたくなってしまう - 目先の小さい利益に気を奪われない
▶利益をあせって、少しの値上がりで売ってしまう - 極力、他人のお金では運用しない
▶自由さが奪われる。冷静な判断ができない。
取引後に勝ち負けの分析をする。
勝った時も負けた時も、なぜそうなったのか分析することが大事だとバフェットは言っています。
負けた場合の分析
- 買った時の株価にこだわりすぎていなかったか。
- 一時的な値下がりに感情的になっていなかったか。
勝った場合の分析
- 売った後に値上がりした場合
▶目先の利益にとらわれていなかったか。 - 売った後に値下がりした場合
▶どうして、このタイミングで売るべきと判断できたのか。
この積み重ねが投資成績UPにつながりますね。
ベンジャミン・グレアムとの出会い

バフェットは、ベンジャミン・グレアムというアメリカの投資家を師と仰いでいます。彼が19歳のときに出会ったグレアムの書いた「賢明なる投資家」という本がバフェットのバイブルとなっています。
ベンジャミン・グレアム
1894年ロンドン生まれ。1926年に投資会社を設立したが、世界恐慌で経済的打撃を受けたのと機に、安全な投資について研究を始める。
彼の投資術は、元本の安全性を保障しつつ適正な収益を得る「バリュー投資」である。
バフェットは、グレアムが教鞭をとるコロンビア大学に進学し、グレアム授業から多くの事を学ぶ。
グレアムが提唱した7つの基準
バリュー投資の肝は、投資する企業の本質的価値を見極めることです。それを具体的に7つの基準にしたものが以下のものです。
グレアムが提唱した7つの基準
- 適切な事業規模か
▶小型株は避けること。 - 財務状況は健全か
▶流動資産が、流動負債の2倍以上、かつ、長期負債が、純流動資産以下であること。 - 収益は安定しているか
▶最低10年間は赤字のないこと - 配当はあるか
▶20年連続で配当を出していること - 収益の伸びはどうか
▶過去10年間で、直近3年間の1株当たり純利益(EPS)が、最初の3年間より、最低でも33%以上伸びていること。 - 株価収益率は妥当か
▶株価収益率(PER)≦15 であること。 - 株価純資産倍率は妥当か
▶株価純資産倍率(PBR)≦1.5 で、PER×PBR<22.5 であること。
この基準に沿って判断したとき、最後まで候補に残った企業は、「企業の本質的価値が高いにもかかわらず、株価が低い状態にあるといえる」ということです。
ただし、バフェットによれば、この基準は100%信頼できるものではないとのことで、それは、グレアムの理論では、財務や業績に表れた部分でしか企業を評価できないからです。とはいえ、企業の安定性を評価したり、割安株かどうかの判断したりすることにはリスク回避に極めて重要であります。
グレアムに学ぶ投資の3つの鉄則
次は、バフェットが学生時代にグレアムの授業で学んだ鉄則を紹介します。
投資の3つの鉄則
- 企業の一部を所有するつもりで買う
- 安全マージン(安全域)を利用する
- マーケットは主人ではなくしもべである。
企業の一部を所有するつもりで買う
これは、株価だけでなく企業そのものを見なければならないということです。それは、企業の財務諸表で本質的価値を見る必要があるということです。
財務諸表の見方は、いろいろ紹介されていましたが、ひとつだけ紹介します。それは主要財務諸表で見る下の3点です。
主要財務諸表で見るポイント
- 自己資本比率
▶40%以上が合格ライン、50%以上が理想。 - ROE(自己資本利益率)
▶アメリカ企業は15%以上、日本企業は10%以上が必要。バフェットはEPSよりROEを重要視しています。 - ROA(総資産利益率)
▶最低でも6%以上
安全マージンを計算する。
これは、バフェットが最も重要だと言っているものです。
安全マージン
損失を軽くするために意識すべき価格差「清算価値と時価総額の差」
■計算方法
【安全マージン】 = 【企業価値】ー【時価総額】
【企業価値】=【オーナー利益】÷【米国国債30年利回り】
【オーナー利益】=【純利益】+【減価償却費】ー【設備投資費】
安全マージンが大きければ大きいほど、リスクは小さくなると考えられます。
マーケットは主人ではなくしもべである。
市場は不安定なものです。
リアルタイムに変動する株価に踊らされるのではなく、あくまで企業の成長性や収益性を見極めたうえで、投資を行うべきです。
これが、市場に従わず、市場を従わせるということになります。
フィッシャー理論との出会い

バフェットは、「私の85%はグレアムから、15%はフィッシャーからできているといっても過言ではない」と言っています。それほど影響を受けた人物です。
フィリップ・フィッシャー
1907年、アメリカ、カリフォルニア生まれ。スタンフォード大学を1年で中退し、3年間証券アナリストとして働いた後、投資会社設立。以後69年間にわたり大きな投資利益を上げ続けた。彼の投資哲学がふんだんい盛り込まれた著書「株式投資で普通でない利益を得る」は、一躍ベストセラーとなった。
グレアムが、過去の株価や業績の推移などの数字で評価する「定量分析」を重視したのに対し、フィッシャーは事業内容や経営者の資質など数字に表れない部分で評価する「定性分析」を重視した。
フィッシャーの15の質問
フィッシャーが投資対象を選ぶ際に用いたのが、次の15の質問です。
フィッシャーの15の質問
- 現在の製品・サービスで収益増は望めるか
- 新しい製品・サービスで収益増は望めるか
- 研究開発はなされているか
- 独自のノウハウがあるか
- 優れた営業部門はあるか
- 長期的展望はあるか
- 売上高営業利益率は十分か
- 営業利益率を維持・改善しているか
- 適切なコスト分析・財務分析がなされているか
- 労使関係は良好か
- 管理職の能力は引き出されているか
- 優秀な管理職は豊富か
- 経営者は悪いニュースも報告しているか
- 経営者は投資家に対して誠実か
- 増資のリスクはないか
これって、かなり企業の内部まで深く知らないと分からない情報も含まれていますよね。そうなんです。フィッシャーの考えは、「自分の熟知している企業だけに投資すべきだ」というものなのです。
バフェットの投資先判断基準とは

グレアムとフィッシャーの影響を大きく受けたバフェットは、投資先を見極めるための4つの指標を導き出しました。
投資先を判断する4つの指標
- その企業の本来価値より株価が割安であるか
- 事業内容が理解できるか
- 長期的に業績がよいことが予想されるか
- 経営者に能力があるか
この4つすべてにあてはまる企業にだけ投資するということです。
まとめ

いかがでしょうか?
投資は遊びではないってことが、身に染みて分かりました。誰かが「上がるよ」って言ったから買うなんて、軽々しくしてはだめですね。
「マーケットは主人ではなくしもべである」という考え方は、新鮮でした。今まで、「市場は待ってくれない、市場に合わせて動くしかない」って市場を王様のように考えてました。そうじゃないんですね。マーケットが自分の考える基準に達するまで待てばいいだけなのです。
上で説明した「安全マージン」の計算は、大変役に立つと思います。エクセルでちょちょいと作れるので、一度作って計算してみてください。気になる銘柄が実は安全マージンがマイナスなんてことになったりします。
相場が下がりつつある今だからこそ、本来の価値よりも株価が割安な企業探し、はじめてみませんか?
ぜひ手に取って読んでみられることをおすすめします。